新しい商品やサービスを導入したとき、 担当者としてはいち早く世間に発表して、認知度を高めたいと考えるでしょう。しかし、 一般的な事業者が広く広報活動を行うのは多大な労力と費用がかかってしまいます。
この点、大手メディアでニュース記事として取り上げてもらうと、その影響力は桁違いです。もっとも、小規模な事業者の発表が大手メディアの目に留まるのは簡単ではありません。
そこで、これを手助けするのがプレスリリース配信サービスと代行サービスです。たとえ大手メディアであっても、担当者次第で記事化される可能性はあります。
この記事では、プレスリリース配信サービスと代行サービスを取り上げて解説します。 各々の内容を知ることで、自社に合ったサービス選びの参考にしてください。
1、プレスリリースとは何か?
①プレスリリースを行う目的
プレスリリースとは、メディアに対して自社の情報を発表することを意味します。目的は、メディアに取り上げられて世間一般の認知を向上させることにあります。
そもそも、オウンドメディアを通じて自社の製品やサービスを PRしてもなかなか世間の認知は変わらないでしょう。この点、メディアで取り上げられると知名度は一気に向上します。それだけ大きな影響力を持っています。
プレスリリースは直接メディアに情報提供して記事として取り上げてもらうことを目指します。メディアへの露出を効率的に行うための施策なのです。
②インターネット経由でプレスリリースを行うメリット
伝統的なメディアには、新聞・テレビ・雑誌・ラジオがあります。インターネット経由でプレスリリースを行うと、伝統的なメディアに記事として取り上げられる可能性が高まります。
かつては、個人や中小企業が伝統的なメディアを通じてプレスリリースを行うのは難しいのが現実でした。しかし、インターネットによって、このハードルが著しく下がりました。代行サービスを利用すれば、新聞・ テレビ・雑誌・ラジオに取り上げられる可能性は以前と比べてずっと高まっています。
2、プレスリリース配信サービスとは?
企業や個人によるプレスリリースの、大手メディアへの配信を代行するサービスです。
いわば、メディアと事業者を仲介する存在と言えるでしょう。
3、プレスリリース配信サービスのメリット
①大手メディアで取り上げられる可能性が高まる。
一般的に中小の事業者が大手メディアに取り上げられるのは簡単ではありません。自力でアプローチするのが現実的には難しい場合もあります。しかし、プレスリリース配信サービスを利用すれば複数の大手メディアにプレスリリースを届けられます。結果的に大手メディアで取り上げられる可能性も高まるのです。
また、プレスリリース配信サービスのオウンドメディアにも掲載され、ここでもメディアの担当者の目に留まる可能性があるのです。
②SNSで拡散される可能性が高まる。
WEB上にプレスリリースが公開され、ユーザーの目に触れる可能性が高まります。結果的に SNSを通じて拡散される機会も増加します。特に、自社のオウンドメディアの注目度が低い場合にはプレスリリース配信サービスを使うのは有効な手法となります。
4、プレスリリース配信サービスのデメリット
①メディアの目に止まらないおそれがある。
プレスリリース配信サービスを通じてプレスリリースを行ったとしても、必ずしも大手メディアに取り上げてもらえるとは限りません。どの程度記事として取り上げるのか、または全く取り上げないのかも含めて大手メディアの判断となります。プレスリリースの内容だけでなく、メディア担当者の都合や相性とマッチするかという要素も必要です。
②継続的に記事として取り上げられるのは難しい。
プレスリリースが大手メディアに取り上げられたとしても通常は単発で終わるでしょう。一度取り上げられたからといって、次回以降も継続するわけではありません。毎回内容が精査され、報道するに値すると判断された場合のみ記事となるのです。
5、プレスリリース配信サービスを選ぶ際のポイント
①料金体系
料金体系はプレスリリースの配信1回につき、料金はいくらという形で記事本数に比例して決まります。有料のサービスの場合は、3万円前後が配信1本当たりの相場です。
この点、中には無料のサービスもあります。内容はプレスリリースの配信や、オウンドメディアでの公開など有料サービスと概ね同じです。しかし、実際には無料サービスの場合、配信できるメディアが限られてしまっていたり、サポートが薄かったりといった点もあります。どちらを利用するかはサービス内容を調べ、自社に合う事業者はどれかという視点で選定するべきです。
②提携するメディアの数
提携先のメディアが多いに越したことはありません。しかし、単純に数だけで判断するのは危険です。自社の配信先としてふさわしいメディアを提携先としてどれくらい抱えているかどうかもチェックするべきです。
特に注意したいのが海外メディアとの関わりです。海外向けのプレスリリースを積極的に行いたいと考えている場合は、提携先として海外メディアが多い、サービス事業者を選ぶべきです。海外メディアとの関わりは事業者によって得意不得意がはっきり分かれるところなので、 事前に確認するのが良いでしょう。
③サポート体制
サービスごとにサポート体制が全く異なります。自社の担当者がプレスリリースに慣れていない場合は、サポート体制が手厚い物を選ぶべきでしょう。例えば、発表内容ごとにテンプレートが用意されているものも担当者によっては大きな助けとなるでしょう。
また、プレスリリースの校正サポートは大手メディア向けには有効なサポートといえます。
6、おススメのプレスリリース配信サービス5選
①PR TIMES
・概要
現在2021年4月現在で上場企業の約43%が利用しており、国内シェア NO1です。提携メディアも、朝日新聞・日本経済新聞・ Yahoo ニュース・時事ドットコムなど国内トップクラスの大手メディアとなっています。
・料金体系
1配信が30,000円で月額契約になると毎月80,000円です。
②@Press
・概要
提携メディアの数は約8,500です。新聞やテレビはもちろん あまり知られていないWebメディアやフリーペーパーにも幅広く配信できます。サポートとしてプレスリリース用の原稿のチェックと配信リストの作成があります。
・料金体系
料金は配信回数によって決まります。配信1回で30,000円〜59,800円、3回配信で78,000円〜149,400円、配信12回で12回配信:294,000円〜573,600円です。
③共同通信PRワイヤー
・概要
提携メディアの数は約35,000です。海外メディアも多く抱えています。共同通信社が運営母体です。 提携先のメディアから信頼が高く、リリースした記事の約70%が記事化されています。海外へ向けたプレスリリースのために、原稿の翻訳サービスもあります。海外メディアへの配信を希望する場合も日本語で入稿しても問題ありません。
・料金体系
料金は配信1回で78,000円、配信5回で186,000円です。
④Value Press
・概要
提携メディアの数は約11,000です。全ての全国紙と主要なテレビ局は網羅しています。ニッチな専門誌や Web メディアも配信先に含まれます。プレスリリースとメディアとのマッチングを考えて配信します。このため記事として取り上げられる可能性も高まります。
・料金体系
従量課金プランであるエコノミーは配信1回が30,000円です。定額課金プランであるスタンダードは1ヶ月30,000円で、ビジネスプランは1ヶ月70,000円です。
⑤PR-FREE
・概要
完全無料で利用できます。プレスリリースの投稿数も無制限です。手軽に利用できるので事業を始めたばかりの事業者の方が最初に利用するにはよいでしょう。提携先のメディアの数は公式サイト上では公開されていませんが、随時増えています。
・料金体系
完全無料
7、プレスリリース代行サービスとは?
プレスリリース代行サービスとは、プレスリリースとして発信したい情報をメディア向けに編集することです。
なぜこのような作業が有効かというと、プレスリリース作成をプロに代行してもらうと、記事としてとりあげてもらえる可能性がアップするからです。
そもそも、自社の発表をそのまま大手メディアに送ったとしても取り上げられる可能性は低いでしょう。大手メディアには連日、山のようにプレスリリースが集まってきます。雑多な情報の中に埋没してしまうはずです。
そこで必要なのが、情報をメディア向けに編集することです。この作業を代行するのがプレスリリース代行サービスです。
8、おススメのプレスリリース代行サービス3選
①Good Press
・概要
プレスリリース原稿のリライトから、原稿の作成代行まで行います。 必要に応じて企画段階から対応して、担当者へのヒアリングや社内の調整、最終的な原稿の仕上げまでをトータルで対応することもできます。メディア担当者の視点から原稿を作成します。このため、プレスリリースとしてメディアに取り上げられやすい内容に仕上がります。
・料金体系
全て1件あたりの単価です。リライトコース(原稿のリライトのみ)50,000円、ヒアリングコース(ヒヤリングから原稿作成まで)70,000円、クリエイティブコース(原稿作成からメディア向けプロモーションまで)1,00,000円となります。
②プレスライタープロ
・概要
専属のライターがプレスリリースを作成します。プランによってリライトだけからメディア向けのプロモーションまで手厚く行うサービスまであります。タイトルや見出しをメディアの担当者から好まれる内容に仕上げます。 作成をプロの手に委ねることでプレスリリースを更にブラッシュアップします。
・料金体系
全て1件あたりの単価です。リライトプラン(原稿のリライトのみ)70,000円、スタンダードプラン100,000円(ヒヤリングから原稿作成まで)、メディアプロモートプランは150,000円原稿作成からメディア向けプロモーションまで)となります。
③RRP
・概要
アンケート×プレスリリースをコンセプトとします。通常のプレスリリースではインパクトとしては弱い場合もあるでしょう。そこでアンケート調査を実施して、その結果も加えて調査リリースとして発表します。大手リサーチ会社と提携しており、アンケートの確度も高いです。 単なるプレスリリースに止まらないアプローチができます。
・料金体系
全て1配信あたりの単価です。ライトプラン150,000円、レギュラープラン350,000円(1,000人以上にアンケート実施)、バリュープラン500,000円(1,000人以上にアンケート実施)となります。
9、まとめ
個人や中小企業には大手メディアは遠い世界だと考えてしまうかもしれません。しかし、大手メディアが大企業の独壇場だと考えるのは早計です。現代はインターネットがあり様々な形でプレスリリースを行います。 代行会社を適切に活用すれば、自社に最適なプレスリリースを実現できるのです。
新聞・ テレビ・雑誌・ラジオは以前に比べて影響力が下がっているものの、まだ相対的に大きな力を持っています。だからこそ個人や中小企業も積極的に利用していきたいものです。情報発信に事業規模の大小は関係ありません。 積極的にプレスリリースを行い、世の中の認知度を高めていきましょう。