少人数の会社では社長が何役もの仕事をこなさなくてはならないので、スケジュール調整はとても重要です。そこで、今回は秘書を雇わなくてもスケジュールの調整・管理ができる「日程調整ツール」について、おすすめの13選を紹介するとともに、利用するメリットや選び方のポイントなどについて詳しく解説します。
日程調整ツールとは
スケジュール調整ツールとは、来客、社内打合せ、web会議、出張、イベントなどのスケジュール調整を簡略化し、そのスケジュール情報を関係者全員で共有できるツールです。
複数メンバーの予定を調整しなければならない場合に、メンバーの予定が一目で把握でき、候補となる日時を簡単に絞り込むことができるスケジュール調整ツールは、会社の規模にかかわらず業務効率を高める効果があります。
スケジュールの管理だけであれば、ソフトのインストールが不要なクラウド型のサービスが、資料作成などの関連業務まで含める場合には、オンラインアシスタントが適しています。
日程調整ツールのメリット
⒈ スケジュール調整の手間・時間が大幅に削減できる
ミーティングなどの予定を調整する場合には、①参加者にミーティングの開催、及びテーマを連絡する、②参加者の出席可能な日時を確認する、③開催日時を決定し参加者に連絡する、というプロセスが必要になります。
しかし、参加者全員の予定が把握できるスケジュール調整ツールを利用すると、候補日がすぐに分かるので簡単に開催日時を決定することができ、決定したミーティングの予定は関係者に自動で通知されるのでスケジュール調整に必要な時間と手間を大幅に削減します。
⒉ ダブルブッキングがない
関係者がそれぞれ予定を入れても、常に最新のスケジュール情報が登録されているスケジュール調整ツールでは、予定を同じ時間帯に登録することはありませんから、社外に出ていても安心して日程を決めることができます。これは、個人のスケジュールだけではなく会議室の予約でも同様のメリットが得られます。
⒊ 他のアプリとの連携ができる
他のアプリと連携できれば、スケジュール調整以外の利用も可能になるのでGoogleカレンダー、Outlook予定表、Slack、Chatworkなどと連携できるツールを選択すると、さらに業務効率を高めることができます。
⒋ いつでも、どこでも利用できる
クラウド型のツールはiOSやAndroidに対応しているものが多く、パソコンだけではなくスマートフォンやタブレット端末なども使用できるため、場所や時間を選ばずに利用することができます。
⒌ 人件費を抑制できる
一人社長の場合は、日程調整ツールを利用して自分で日程の調整・管理を行えば、秘書やアシスタントを雇わなくてすみます。また、既に秘書やアシスタントがいる場合でも、日程調整ツールを利用させれば空いた時間を他の業務に充てることができるので、どちらの場合でも人件費の抑制には効果的です。
日程調整ツール選びのチェックポイント
さまざまなタイプがある日程調整ツールの中から最適のツールを選ぶには、いくつかのチェックポイントがあります。
利用目的に合っているかチェック
日程調整ツールを選ぶ場合、最初に考えなければならないのは利用目的です。用途(プライベート・ビジネス)、利用場所(社内・社内外)、利用機能(日程調整のみ・タスク管理なども含める)、利用人数(少数・多数)など、自社の利用目的に合致しているかどうかは非常に重要なポイントです。
利用できるデバイスをチェック
出張など社外にいることが多いビジネスマンは、スマートフォン、タブレット、ノートブックパソコンなどを仕事で使用しますが、日程調整ツールを選択する際にも対応していないデバイスがあると仕事に支障が出る可能性があります。
そのため、事前に対応しているデバイスを確認するとともに、パソコン以外のデバイスでの画面表示や使い易さもチェックする必要があります。
日程調整方法をチェック
日程調整ツールには、自分が打合せ可能な候補日程をいくつか提案し、相手に選んでもらう「候補提案型」と、自分の予定が空いている日時をカレンダー上などで開示し、相手の予約を受け付ける「予約受付型」があります。
採用面接の予約やヘアサロンの予約などを受け付ける場合には「予約受付型」が適していますが、社外の人との会議調整などの場合には自分のスケジュールが開示されない「候補提案型」が適しているので、用途に合った日程調整方法を選択しましょう。
日程調整ツール おすすめ13選
クラウド型のスケジュール調整ツールには、面談をベースとしたものや、web会議に特化したもの、あるいは営業支援や経理業務なども行う多機能型など、さまざまな優れたツールがあります。その中で、おすすめのスケジュール調整ツールを10ピックアップして紹介します。
eeasy
eeasyは、ベンチャー企業から上場会社まで、20,000社が導入しているスケジュール調整ツールで、Google WorkspaceやMicrosoft 365などのグループウエアと連携することで、訪問、来客、面接、Web会議、会食などの、ビジネスに必要なほぼ全ての日程調整を自動化することができます。
自社サイトやシルテムと連動させれば、日程調整だけではなく、担当者の割り振り、会議室の確保、情報管理までの全てをカバーすることができるところが魅力です。
基本料金プラン
プラン | 月額料金(税別)/人 | 調整回数 | 無料トライアル |
あまり調整しない社員 | 無料 | 月6回まで | 1ヶ月使い放題 |
よく調整する社員 | 850円 | 無制限 | ○ |
グループ用料金プラン(オプション)
プラン | 月額料金(税別) | 調整回数 | 無料トライアル |
ライト | 予約受付ページ3個まで 9,800円 | ページの範囲で無制限 | ○ |
ベーシック | 予約受付ページ10個まで 22,800円 | ページの範囲で無制限 | ○ |
ビジネス | 予約受付ページ30個まで 48,800円 | ページの範囲で無制限 | ○ |
TimeRex
TimeRexは、面談、商談などの日程調整が簡単にできるので、多くの人とミーティングが必要なベンチャー企業の経営者や事業開発担当者にはピッタリのスケジュール調整ツールです。
Zoom、Microsoft Teams、Google Meetなどのweb会議ツールとの連携や、Googleカレンダー、Office365予定表などのグループウエアとの連携もスムーズにできます。また、英語やタイムゾーンにも対応しているため海外の取引先との日程調整も問題ありません。
料金プラン
プラン | 月額料金(税抜)/人 | 調整回数 | 無料トライアル |
フリー (エントリー版) | 無料 (※日程調整カレンダーは1つ) | 無制限 | - |
ベーシック (標準機能あり) | 年払い 850円 月払い 900円 | 無制限 | - |
プレミアム (拡張性あり) | 年払い 1,250円 月払い 1,500円 | 無制限 | - |
ScheCon
日本コンシューマーリサーチの2021年7月の調査では、採用担当者に一番支持されているスケジュール調整ツールはScheCon(スケコン)でした。その理由は、ユーザーアンケートを元に開発されたユーザーインターフェースと見やすいビジュアル、そして複数人でのスケジュール調整も簡単に調整し共有できるところ。
1対1でも複数メンバー間のスケジュール調整でも同じように短時間で行うことができ、オンライン名刺交換も一瞬でできます。各プランの機能は同じで利用頻度によって価格が設定されているため、業務内容や会社に規模に適したプランを選択できます。
連携可能なサービスは、Google カレンダー、Outlook カレンダー、Google Meet、Teams、Zoomが全てのプランで利用可能です。
料金プラン
プラン | 月額料金(税込)/人 | 調整回数 | 無料トライアル |
フリー プラン | 無料 | 4回/月 | - |
スタンダード プラン | 年払い 660円 月払い 792円 | 16回/月 | - |
ビジネス プラン | 年払い 990円 月払い 1,188円 | 無制限 | - |
Aipo
1,700社、30,000人以上の利用者がいるというAipo(アイポ)は、少人数の会社や、大企業の部門内チームの予定を簡単に調整し共有できるチーム利用をメインとした調整ツールで、一つのカレンダーでチームのメンバーや会議室の予定が確認できます。
チームの規模の拡大に合わせて、さまざまな機能を追加できる柔軟性があるため、成長に合わせて機能を拡張することによって長く利用できるところが魅力です。
提携可能なサービスは、Macカレンダー、Googleカレンダー、iPhoneカレンダー、Yahooカレンダー、Thunderbirdカレンダー、TimeTreeなどがあります。
料金プラン
プラン | 月額料金(税抜)/人 | 利用容量/人 | 無料トライアル |
ミニマム | 200円 | 1GB | - |
ベーシック | 350円 | 1GB | - |
プレミアム | 550円 | 3GB | 14日間 |
waaq Link
Waaq Linkは、ベンチャー企業から大企業までをカバーし、ヘビーユーザーにおすすめのビジネス向けスケジュール調整ツールです。2者間でも3者間以上でも簡単に日程調整することができ、出席者から応答がない場合には自動でリマインドメールが送信されます。
また、使用方法や連携などは、10:00〜17:00(土日・祝日・年末年始は除く)の時間帯でサポート対応しているので、安心して利用できます。また、web会議はGoogle Meet、Microsoft Teams、Zoomなどが利用でき、Office365やGoogle Workplaceなどと連携するとさらに業務の幅が広がります。
料金プラン
※要問い合わせ:Waaq Link
Calendly
Calendlyは、世界で1,000万人以上のユーザー、及び約50,000の企業が利用している、人気のスケジューリングプラットフォームです。会議などの調整から、事前のリマインダーメールから終了後のお礼メールまで送信してくれるので、秘書を雇うようなものです。
また、用途に合わせて「売上の拡大」「人材の採用」「教育」「収益の最大化」「マーケティング」「顧客支援」という最大6つのタイプのカレンダーも用意しています。簡単な英語で表記されているので、海外とのミーティングが多い会社の方には選択肢一つになるでしょう。
料金プラン
プラン | 月額料金/人 | カレンダー接続/人 | 無料トライアル |
Basic | 無料 | 1 | - |
Essentials | 8ドル (年払い20%割引) | 2 | - |
Professional | 12ドル (年払い20%割引) | 6 | - |
Enterprise | 要問い合わせ | 6 | - |
Doodle
Doodleは、スイス最大のメディアグループ「TXグループ」が提供する、毎月3000万人以上の利用者を持つグローバルなスケジューリングプラットフォームです。
Cisco、Amazon、Googleなどの従業員も多数利用しており、顧客満足度、管理のしやすさ、ビジネスのしやすさ、サポートの質、セットアップのしやすさなどで非常に高い評価を受けています。
Zoom、Microsoft Teams、Googleカレンダー、Outlookカレンダーなどとも連携できるので、英語がベースですが海外企業との会議が多い場合にはおすすめです。
料金プラン
プラン | 月額料金/人 | ユーザー | 無料トライアル |
Pro | 年払い 6.95ドル | 1 | 14日間 |
Team | 年払い 8.95ドル | 5〜20 | 14日間 |
Enterprise | 要問い合わせ | 要問い合わせ | - |
Dr.works
Dr.worksは、営業支援を目的としたweb会議専用のスケジュール調整ツールになります。コロナ禍で対面での商談や打合せが難しくなっている現在では、このようなコンセプトのツールは需要になってきています。また、従業員が少ない小規模の会社にとっても、出張や訪問よりも時間を効率的に使うことができるので選択肢の一つです。
アポイントを入れる相手の便益や快適性を重要視したシステムとなっているので、社内会議などにも使用できなますが、どちらかというと重要な顧客や取引先とのスケジュール調整に適しています。
web会議に関しては、Zoom、Google Meet、Microsoft Teams、skype、Wherebyなど主要なサービスと提携しているので、ほとんどのユーザーに対応可能です。
料金プラン
※要問い合わせ:Dr.Works
jicoo
Jicoo(ジクー)はチーム利用を前提としたスケジュール調整ツールで、日程調整、カレンダーへの登録、Web会議のURL発行・議事録の作成まで簡単に行うことができます。
連携できるアプリは、Zoom、Google Meet、Microsoft Teams、Slack、Salesforce、Googleカレンダー、Office365など多数のサービスを利用することが可能です。
1つのアプリで、日程調整から、カレンダー共有、タスク管理、Web会議までをトータルに行いたい場合に適しています。
料金プラン
プラン | 月額料金(税込)/人 | カレンダー接続/人 | 無料トライアル |
Free | 無料 | 1 | - |
Startup | 980円 | 2 | 2週間 |
Pro | 1,320円 | 6 | 2週間 |
Enterprise | 要問い合わせ | 6 | - |
アイテマス
営業のように商談や会議を申し込むことが多い職種もありますが、逆に商談などを申し込まれる頻度が高い職種・ポジションもあります。そのような人にとって「アイテマス」は、非常に便利なスケジュール調整ツールです。
開発は企業ではなく個人ですが、必要な機能は一通り揃っており、現在は完全無料で利用できるためスケジュール管理ツールにコストをかけたくない人には向いています。ただし、提携しているカレンダーはGoogleカレンダーのみで、web会議はZoomとGoogle Meetがサポートされています。
料金プラン
※完全無料
無料・日程調整ツール
経営者であっても、プライベートライフは大切です。そこで、主にプライベートでの利用を想定した無料日程調整ツールを3つ紹介します。スマートフォンとの相性も良くビジネス用と分けて利用してはいかがでしょうか。
調整さん
累計利用者数1200万人以上を誇るスケジュール調整支援ツール。飲み会・同窓会・送別会・会議等に対し、全員の日程調整や出欠管理作業を簡単に行えます。
伝助
打ち合わせや飲み会を開くとき、参加者の予定を入力し一番都合がよい日程を確認するスケジュール調整ツールです。i-modeやez-webなどのガラケーにも対応しています。
LINEスケジュール
複数人が参加するイベントや予定の出欠確認が簡単に行える。LINEアプリの一機能なのでLINEユーザーであればすぐに使えますが、スマホでしか利用できません。
まとめ
スケジュールの調整・管理は日程調整ツール以外に、オンラインアシスタントの利用も選択肢の一つですが、利用者の役職・目的・利用頻度・予算・チーム利用の有無などを考慮して選択しなければなりません。
「システム」上で行うのと「人」が行うのでは細かな対応に違いが出てきます。そのため、商談や会議のスケジュール調整を行う場合、相手が上司・同僚・部下、お客様、業者など、どのような立場にあるかによって選択するのも一つの方法です。
雑用を整理して、本業に集中したいと考えているのであれば、本記事で紹介したような日程調整ツールだけでなく、オンラインアシスタントの利用も検討してみてはいかがでしょうか。