X(旧Twitter)は、フォロワーにリアルタイムで情報を拡散できるSNSです。フォロワーが多ければ、自社の認知度が高まりX(旧Twitter)から顧客獲得につながることもあります。
そこで今回の記事では、X(旧Twitter)の企業アカウントのフォロワーを増やし、ファンを育て顧客を獲得するための方法を紹介します。
中小企業がX(旧Twitter)の企業アカウントを運用すべき理由や、フォロワーを増やす効果的な方法が理解できるので、ぜひ参考にしてください。
中小企業がX(旧Twitter)企業アカウントを運用すべき理由
X(旧Twitter)は自社の商品やサービスのPR活動に利用できるSNSです。ユーザーは興味のあるアカウントをフォローするため、受注確度の高いユーザーに対し広くPRできます。
企業アカウントを適切に運用しフォロワーを増やせば、自社ブランディングにつながります。自社のビジョンやコンセプトも合わせて発信すると、認知度が向上するからです。
また、X(旧Twitter)は無料で活用でき、スマホやタブレット、パソコンから気軽にツイート可能です。日々の業務に忙しい一人社長や、人材リソース不足に悩む中小企業でも、隙間時間で更新できます。
したがって、中小企業によるX(旧Twitter)の企業アカウント運用は、自社の認知度を高めるために必須といえるでしょう。
X(旧Twitter)が他のSNSよりも優れているポイントは?
企業のPR活動で使える代表的なSNSとして、X(旧Twitter)以外にInstagramやFacebookがあります。
それぞれの特徴を下記の表にまとめました。
月間アクティブユーザー数 | ユーザーの特徴 | 拡散性 | リアルタイム | |
X(旧Twitter) | 4,500万 | 20代が多い | 〇 | 〇 |
3,300万 | 10代と20代が半数 | △ | △ | |
2,600万 | 20代と30代が多い | △ | △ |
ユーザー数が多い
X(旧Twitter)の国内月間アクティブユーザー数は4,500万超(2017年時点)で、InstagramやFacebookと比較して圧倒的にユーザー数が多いのが特徴です。
X(旧Twitter)のユーザーは20代が多い印象がありますが、平均年齢は36歳です(2020年時点)。したがって、幅広い年代のユーザーが利用していることがわかります。
拡散性が高い
ほかのSNSにはないX(旧Twitter)の注目すべき特徴として、拡散性の高さが挙げられます。
リツイート機能によってツイートが広く拡散され、いわゆる「バズる」状態になればフォロワー以外の多くのユーザーの目に留まります。場合によっては、テレビニュースやほかのメディアにバズったツイートが取り上げられることもあります。
露出度が高まり、フォロワーも増え自社商品やサービスの認知度が高まるでしょう。
リアルタイムで情報をユーザーに届けられる
X(旧Twitter)のコンセプトは「今、起きていること」を見つけることです。つまり、リアルタイムな情報をフォロワーに届けることを得意とするSNSです。
ほかのSNSもリアルタイム性は特徴として含まれますが、アルゴリズムにより関連性の高い情報が優先して表示されるケースが多く見られます。
その点、X(旧Twitter)はまさにこの瞬間だからこそ発信できる内容をツイートできます。トレンドを意識して発信すれば、注目が集まりやすくなるでしょう。
8割以上のユーザーがフォローから1年以内に商品を購入している
X(旧Twitter)が発表したデータによると、8割以上のフォロワーがフォローから1年以内に商品を購入していることがわかりました。また、4割以上が商品を購入する前にアカウントをフォローしているデータも報告されています。
X(旧Twitter)のユーザー数を考えると、ほかのSNSと比べて多くの顧客を獲得できる可能性があると考えられるでしょう。
X(旧Twitter)のフォロワーは、購入前にまずX(旧Twitter)の発信情報を読み、ブランドについて理解を深めてからアクションを起こしています。これらのデータからも、X(旧Twitter)を運用する重要性が理解できるでしょう。
X(旧Twitter)企業アカウントでフォロワーを増やす11の方法
中小企業がX(旧Twitter)の企業アカウントを作成した後、フォロワーを増やすために取るべき方法を解説します。
ターゲット・ペルソナを設定する
フォロワーを増やすために、誰に向けて発信するか決めましょう。ユーザーに「このツイートは自分に必要な情報だ」と思ってもらうことで、フォローされるからです。
「30代の女性」と大まかなターゲット設定だけでなく、「30代女性、子育てと仕事の両立を頑張っている、肌のトラブルが悩み」など、ペルソナ設定をします。
PRしたい自社商品やサービスのユーザーを詳細にイメージすることで、一貫性のあるツイートができるでしょう。
プロフィールを作り込む
フォロワー獲得にはプロフィールを作り込むことも重要です。
以下のように、名前、プロフィール写真、カバー写真、自己紹介文、場所、生年月日、ウェブサイトを入力します。
名前 | 社名に「公式」をつければ公式アカウントだとPRできます。名前の後にイチオシの商品名を加えることも可能です |
プロフィール写真 | ロゴ、商品、公式キャラクターなどの写真を設定します |
カバー写真 | 商品、公式キャラクター、コンセプトなどの写真を設定します |
自己紹介文 | 発信内容、宣伝文、問い合わせ先などを記載します |
場所 | 本社の所在地を設定します |
生年月日 | 設立日を設定します。なしでも問題ありません |
ウェブサイト | ホームページ、LP、ほかのSNS、ECサイトなどのURLを設定します |
たとえば、和菓子屋「亀屋万年堂」のX(旧Twitter)プロフィールを見てみましょう。
「名前」と「カバー画像」に新発売のイチオシ商品を掲載し、「URL」ではECサイトに誘導しています。また、「自己紹介文」に通販限定のおすすめ商品を載せ、無駄のないプロフィールに仕上げています。
ユーザーは一目で自分が欲しい商品か理解できるので、フォローや購入を促せるでしょう。
ユーザーにとって有益な情報をツイートする
ユーザーにとって有益な情報をツイートすれば、フォロワー増加を期待できます。有益な情報とは、自社の商品やサービスに関する知識や、割引キャンペーンなどお得な情報です。
たとえばメルカリでは、サービスの使い方をツイートで投稿しています。メルカリの機能を画像で解説し、リプライで該当のヘルプページをリンクさせることで、ユーザーの利便性を高めています。
投稿時間を決める
投稿時間を決めて定期的にツイートすることで、フォロー解除を防ぎフォロワーが増えやすくなります。
どの時間帯が良いかは投稿して反応を見ながら決める必要があります。一般的には、「通勤時間の8時前後」「昼休みの12時前後」「仕事後の20時前後」に閲覧者が多いです。
まずはその時間帯に合わせてツイートし、いいねやリツイート、コメントの数など反応を見ながら調節しましょう。
画像や動画付きでツイートする
X(旧Twitter)でツイートできる文字数は140文字に限られています。短文のみの投稿よりも、画像や動画で視覚的に訴えた方が、ユーザーの目を引くのでおすすめです。
さらに、縦長の画像や動画であれば表示される占有率が上がり、露出度が高まるでしょう。
こちらのG-SQUAREの画像付き投稿は、眼科でよく見る画像が使われています。いいねも1,300以上、リツイートも400以上と、注目が集まっていることがわかります。
リプライ・いいね・リツイート機能を使う
リプライ・いいね・リツイート機能を活用し、X(旧Twitter)上でコミュニケーションを取るのも効果的です。企業アカウントからリアクションがあると、ユーザーは親しみを感じやすくなるからです。
X(旧Twitter)運用を始めたばかりだとフォロワーが増えず悩む時期があるかもしれません。そこで積極的にコミュニケーションを取れば、好印象を与えられフォローにつながりやすくなるでしょう。
ネットショップを開設できるBASEでは、リツイート機能を活用しユーザーとコミュニケーションを図っています。X(旧Twitter)の検索機能で自社名やサービス名を検索し、ユーザーの感想を見つけてリツイートすれば、投稿したユーザーだけでなくほかのフォロワーにも拡散できます。
ハッシュタグを使う
ハッシュタグ「#」をキーワードの頭につけてツイートすると、キーワードに関心のあるユーザーとつながりやすくなります。
X(旧Twitter)の「おすすめトレンド」ページでは、X(旧Twitter)のトレンドが確認できます。トレンドに合わせてハッシュタグを使ったツイートをすれば、露出が高まり効果的です。
キャンペーンを実施する
X(旧Twitter)上で「フォローとリツイートした人の中からプレゼントが当たる」といったキャンペーンを実施すると、フォローが短期間で増えやすくなります。リツイートで投稿も拡散され、多くの人の目に留まるでしょう。
たとえば、会計ソフトfreeeが発行する「起業時代」という雑誌のX(旧Twitter)アカウントでは、「フォロー&リツイートで花とみどりのeチケットが当たる」キャンペーンを開催しました。
その結果9,300以上もリツイートされ、PR効果の高いキャンペーンであったといえるでしょう。
X(旧Twitter)広告に出稿する
ターゲットの地域、年齢、性別、キーワードなど属性を指定し、X(旧Twitter)広告に出稿すればピンポイントでツイートを発信できます。自社のターゲット像に近いユーザーの目に留まるため、フォロワー増加を期待できます。
広告費はかかりますが、短期間でフォロワー増加を狙うなら広告の出稿を検討しましょう。
競合他社のフォロワーをフォローする
X(旧Twitter)の企業アカウントを開設したら、競合他社を検索しそのフォロワーをフォローするのも効果的です。競合他社のフォロワーは自社商品やサービスにも関心があると考えられ、顧客になる確率が高いからです。
誰でもいいからフォロワーを増やそうとするのではなく、質の高いフォロワーを増やすために競合他社のフォロワーをチェックしましょう。
リテラシーを高め炎上を回避する
X(旧Twitter)は拡散性が高く、良い情報だけでなくネガティブな情報も一気に広まり「炎上」が起こりやすい、という一面があります。悪気なくツイートした内容が誰かを大きく傷つけた結果炎上し、社会的な信頼性を失うリスクもあります。
したがって、ネガティブな内容の投稿は控え、ネットリテラシーを高め炎上を回避するよう常に心掛けることが大切です。
X(旧Twitter)企業アカウントでファンを育て顧客を獲得するコツ
X(旧Twitter)の企業アカウントでフォロワーを獲得したら、顧客になってもらう必要があります。ここでは、フォロワーが自社のファンになるよう育てるコツを解説します。
宣伝だけでなく愛着が生まれるツイートをする
フォロワーにとって有益な情報や宣伝ばかりをツイートするのではなく、愛着が生まれるツイートをすることが大切です。企業アカウントでつぶやいている担当者の人柄がわかるツイートをすれば、根強いファンを獲得しやすくなるからです。
企業アカウントは堅いイメージを持たれやすいですが、逆にゆるい内容の投稿をすれば、ギャップが生まれ注目されやすくなります。
たとえば、オンラインアシスタントを依頼できるタスカルの公式X(旧Twitter)では、通常このようなPRツイートをしています。
しかし、PR投稿の間に次のような「ゆるい投稿」を挟み、立ち上げからわずか4カ月で1,200人を超えるフォロワー獲得に成功しています。
ほかの「ゆるい投稿」の例も見てみましょう。
やすもと醤油のX(旧Twitter)アカウントは、当初フォロワーは数十人でした。しかし、上記のような上司と同僚の「ゆるい会話」をツイートしたところ、いいねが17.5万、リツイートが3.9万も集まり、フォロワー数が何万人にも膨れ上がりました。その後、製造が追いつかないほど商品が売れたといいます。
このような共感を呼ぶようなツイートは愛着が生まれ、顧客獲得に重要だといえるでしょう。
定期投稿に加えて臨場感のあるツイートをする
毎日の定期投稿だけでなく、臨場感のあるツイートもファンを育てるのに効果的です。臨場感を出すために、「行ってみた」「やってみた」というツイートをしましょう。
こちらは「ミスドに行ってみた」「食べてみた」のツイートです。食の話題は多くのユーザーと共通点を見出しやすく、共感を呼びやすい内容といえます。
また、ガラスメーカーブランドGlas+の公式アカウントでは、「桜を鑑賞した」という宣伝活動に関係のないツイートをしています。写真付きで投稿することで、桜の開花状況やリアルな雰囲気をフォロワーに提供できます。
X(旧Twitter)はリアルタイム性の高いSNSであるため、季節に合わせたリアルな情報はユーザーに好まれるでしょう。
アナリティクスで分析しPDCAを回す
X(旧Twitter)の投稿内容は、X(旧Twitter)のアナリティクスツールを用いて定期的に見直すようにしましょう。
投稿した内容に対し「どれくらいのいいねやリツイートがあるか」予測し、ツールで確認します。予想を下回る反応数だった場合、投稿内容を改善する必要があるとわかります。
一方で、反響が大きかったツイートがあれば、同じテーマや書き方で投稿を増やすとよいでしょう。ツイートにもPDCAサイクルを回し、投稿のクオリティを高める姿勢が重要です。
X(旧Twitter)の企業アカウント運用はオンラインアシスタントをご活用ください
中小企業でX(旧Twitter)の企業アカウントを運用する場合、ヘビーユーザーになってツイートするのが理想的です。しかし、社内で運用が難しい場合はオンラインアシスタントへの外注を検討するのがおすすめです。
オンラインアシスタントを利用し、社員はコア業務に注力するよう環境を整えましょう。