検索で上位表示を獲得することはマーケティングで非常に重要です。そして、検索で上位表示させるためのテクニックがSEOです。Webページのどこを改善すれば上位表示されるのか、サイトごとにチェックするのは地道な作業が必要です。しかし、現在ではSEO対策はツールに頼ることができます。どんな施策が有効か、ツールを使って分析するのが効率的です。もっとも、SEOツールには様々なものがあります。例えば、内部対策や外部対策、キーワード選定など目的に応じて使うツールも異なります。どのツールを選ぶのが最適かはわかりにくいところです。
この記事ではSEOツールについて基礎から解説します。具体的には、SEOツールの概要と種類、おすすめのツールを紹介します。この記事を読めば自社にとって最適なツールが見えてくるはずです。そして、的確なSEO対策を施して上位表示を獲得してください。
1、SEOツールとは?
SEOツールとは、検索エンジンのアルゴリズムに最適化させるための改善提案を行うツールです。具体的には、アクセス解析や内部診断、外部診断、キーワード選定など様々な分野があります。SEO対策として何をするかに応じてツールを使い分けなければなりません。このため、ツールの選定が非常に重要です。適切なツールを選ぶためにも各々の目的と用途を把握して下さい。
2、SEOツールの種類
①アクセス解析ツールとは?
サイトへ流入したユーザーのアクセス情報を分析します。ページ別にアクセス数、訪問ユーザー数、ユーザーの属性、アクセスしたブラウザなどあらゆる情報が対象です。分単位での細かい分析から月単位での長期にわたる分析まで行うことができます。あらゆる角度からサイトのアクセス向上を目指します。
②コンテンツSEOツールとは?
コンテンツSEOとは、キーワードごとにユーザーの検索意図に沿ったコンテンツを構築し、検索上位を獲得することです。コンテンツSEOツールの目的は、検索意図に沿ったコンテンツの提案を行うことです。
ここではユーザーの検索意図に即したコンテンツ作りがポイントになります。自然検索によるサイトへのユーザーの流入はコスト不要で、広告掲載に比べると圧倒的にコスパが良いです。ただし、コンテンツ作りには期間を要します。しかも、コンテンツが完成した後に、検索エンジンから検索上位に値するという評価を得るまでも時間がかかります。コンテンツSEOの欠点は、とにかく時間がかかることです。
③内部対策ツールとは?
内部対策とは、Webサイト内部のコードを検索エンジンから見て、上位表示に値する構造にすることです。例えば、サイト内の階層構造の最適化や構造化データマップなどです。コードが最適化されていないと、コンテンツがどれほど優れていても上位表示は難しいでしょう。
④外部対策ツールとは?
外部対策とは、被リンクの獲得が中心です。被リンクの考え方として、良質なコンテンツは他サイトから参考文献のように扱われるためリンクを貼られるケースが多くなることがあります。
また、単に被リンクを獲得するだけでなく、質も大切です。今日では、どんなサイトから被リンクを獲得しているかという内容も重視されるからです。外部対策ツールは被リンクの中身までチェックして改善施策を提案します。
⑤キーワード調査ツールとは?
コンテンツ制作におけるキーワード選定を効率化します。メインキーワードの提案から、関連ワードの検索ボリュームの調査まで行います。競合サイトのメインキーワードも調べられるので、記事の企画段階で利用する価値が高いです。
⑥検索順位調査ツールとは?
自社のサイトの検索順位を把握するためのツールです。検索順位の調査はSEO対策を行ううえでのスタートとなります。サイトの検索順位を知り、検索上位のサイトと比較してコンテンツの異同を比較します。両者を比較するだけでも課題が明らかになるものです。
2、おすすめのSEOツールを紹介
(一覧表)
種類 | ツール名 | 料金 |
アクセス解析ツール | Googleアナリティクス | 完全無料 |
コンテンツSEOツール | EmmaTools | 月額:65,780円(税込) |
tami-co | ライトプラン :月額31,500円(税込) 通常プラン :月額59,400円(税込) ビジネスプラン :月額85,800円(税込) プレミアムプラン:月額110,000(税込) | |
内部対策ツール | Deep Crawl | ベーシックプラン:月額33,000円(税込) エンタープライズプラン:個別見積により決定 |
パスカル | ライトプラン :月額49,500円(税込) プロプラン :月額66,000円(税込) アナリストプラン:月額88,000円(税込) | |
Googleサーチコンソール | 完全無料 | |
外部対策ツール | Majestic SEO | LITEプラン:月額$49.99 PROプラン:月額$99.99 PROプラン:月額$399.99 |
ahrefs | ライトプラン :月額$99 スタンダードプラン:月額$179 アドバンスプラン :月額$399 | |
キーワード調査ツール | Googleキーワードプランナー | 完全無料 |
ラッコキーワード | フリープラン :無料 ライトプラン :月額990円(税込) プロプラン :月額2,475円(税込) エンタープライズプラン:月額9,900(税込) | |
検索順位調査ツール | DemandMetrics | 月額:100,000円(税込) |
BULL | BULL30プラン :月額13,800円(税込)BULL50プラン :月額22,200円(税込)BULL100プラン:月額42,000円(税込)BULL200プラン:月額78,600円(税込)BULL500プラン:月額184,800 (税込) |
①アクセス解析ツール
・Googleアナリティクス
サイトにアクセスしたユーザーが、どのような動きをしているのか分析します。例えば、どのページがよくみられていて、ユーザーがサイト上にとどまっているのはどれくらいの時間かを分析します。どのページがサイトからの離脱ポイントになっているかを知れば、サイト改善に活かせます。特筆すべきは、高性能でありながら無料で使えることです。この点でも、SEO対策では必ず活用したいツールです。
公式サイト:https://marketingplatform.google.com/about/analytics/
②コンテンツSEOツール
・EmmaTools
コンテンツSEO対策をトータルで行います。つまり、キーワードの選定からコンテンツの作成、効果測定まで実施できます。従来、コンテンツ作りは、コンテンツディレクターの主観に左右される面が少なくなかったです。しかし、EmmaToolsを活用すればサイトの評価をスコアリングできます。コンテンツの質を数字によって可視化できるのです。結果的にコンテンツ作りにおける属人的な部分を最小化できます。
公式サイト:https://emma.tools/
・tami-co
キーワード選択や、競合調査も手軽に行えます。記事の企画段階で力を発揮するツールです。例えば、検索上位のコンテンツのタイトルや見出しを一覧で出力できます。関連キーワードも分析します。これらの情報を活用すれば、検索上位を獲得できる記事を企画できるでしょう。なお、利用料金は月額31,350円(ライトプラン)からの利用となっています。
公式サイト:https://tami-co.biz-samurai.com/
③内部対策ツール
・Deep Crawl
無料のデモスクロールを依頼でき、サイト内部の構造的な問題点を検出します。内部対策に特化したツールで、改善点がピンポイントでわかります。大手企業も多く導入しており、例えばLenovoやIKEAは導入企業として代表的なところです。料金は、ベーシックプランが月額で33,000円です。この以上のプランはエンタープライズプランですが、個別の見積もりを要します。
公式サイト:https://www.deepcrawl.jp/
・パスカル
内部対策に強いツールですが、コンテンツSEOにも活用できます。内部対策としてはHTMLコードの最適化を中心に行います。最適化に際しては検索上位約30~50のサイトのコードを全てチェックして、これに適合させる形で自社サイトの最適化を行います。約50の項目で内部対策をチェックして最適化を図ります。なお、料金プランは3種類あり、ライト(月額49,500円)、プロ(月額66,000円)、アナリスト(月額88,000円)です。
公式サイト:https://www.pascaljp.com/
・Googleサーチコンソール
Googleアナリティクスと並んでメジャーなツールです。Googleアナリティクスの目的はサイト流入後のユーザーの動きを分析することですが、Googleサーチコンソールの目的はサイト流入前のユーザーの動きを分析することです。具体的には実際の検索ワードを調べたり、クリック率やページ別の検索順位もわかります。無料で使えて高性能なツールです。SEO対策では必携といえます。
公式サイト:https://search.google.com/search-console/about?hl=ja
④外部対策ツール
・Majestic SEO
外部対策として被リンクの分析を行います。例えば、被リンク数や被リンク元、アンカーテキストの比率が表示されます。リンクの検出数も多く、外部対策を細かく実施できます。なお、料金プランは3種類ありますが、全てドル建てです。具体的なプランと料金は、LITE(月額49.99ドル)、PRO(月額99.99ドル)、API(月額399.99ドル)となっています。
公式サイト:https://ja.majestic.com/
・ahrefs
被リンクの質を数値で計測します。24時間で40億ものWebサイトをデータ化できます。膨大なデータに裏付けられた分析は外部対策として非常に有益です。独自の指標で改善ポイントを提示するのもユーザーにとってはわかりやすいでしょう。なお、料金プランは3種類あり、ライト(月額99ドル)、スタンダード(月額179ドル)、アドバンス(月額399ドル)です。海外製品なのでドル建てでの支払いなのは注意が必要です。
公式サイト:https://ahrefs.jp/
⑤キーワード調査ツール
・Googleキーワードプランナー
キーワード候補の選定やキーワードの検索ボリュームの調査を行います。他に競合ワードの強さや出稿した場合の契約数やクリック数の見込みも算出できます。幅広い機能を備えたツールです。高性能でありながら利用料金は無料です。必ず活用するべきツールといえます。
公式サイト:https://ads.google.com/intl/ja_jp/home/tools/keyword-planner/
・ラッコキーワード
サジェストキーワードを取得できるツールです。画面もシンプルで、初心者でも迷わずに使えます。競合サイトに含まれるワードを分析するために競合対策で力を発揮します。基本的な機能は無料で使えますが、有料版もあります。有料版を選ぶと利用回数の上限が増えるなど利便性が高まります。
公式サイト:https://related-keywords.com/
⑥検索順位調査ツール
・DemandMetrics
検索順位を調べ、グラフやチャートで視覚的に明らかにします。結果が明示されるので修正ポイントを把握できます。検索上位を獲得するためには有効なツールです。また、順位の把握だけでなく、外部対策やキーワード調査も行えます。SEO対策の総合ツールという側面も持ちます。
公式サイト:https://www.demandsphere.jp/demandmetrics
・BULL
サイトの検索順位をランキングで示します。BULLの特徴は順位チェックを自動化できることです。午前0時から6時の間に検索順位を取得して、その日の順位を明らかにします。 また、検索順位の変動があった場合には、原因がアルゴリズムの変更によるものかどうか明らかにします。料金は月額1,150円からです。価格が割安であるため個人から法人まで幅広く利用されています。
公式サイト:https://bullseo.jp/
まとめ
SEO施策を効果的に行うためには、ツールの的確な活用が望まれます。 SEOツールと言ってもこの記事で紹介したように様々な種類があります。SEO対策の第一歩は、自社のサイトではどのツールを活用するのが効果的か見極めることです。ツールを使えば、検索上位獲得のために記事のどこを修正するのがよいか、すぐに分かります。ただし、SEOツールには簡易的なものから、本格的な分析用の有料ツールまでたくさんの種類があります。記事内で紹介したものを参考に自社のニーズにあったツールを見つけてください。自社サイトのSEO対策のために適切なツールを選んでください。