グローバル化やインターネット上の取引が進む現代において、企業は海外進出を検討しやすくなりました。しかし、言葉の壁や文化の違いなどから「海外リサーチが進まない」「コア業務が忙しくリサーチに時間が取れない」という悩みを持つ経営者も多いのではないでしょうか？
2023年に日本政策金融公庫が報告した調査によると、海外展開を行なっている中小企業はわずか18.0％であることがわかりました。海外展開に関心はあるものの進まない理由として「人材がいない」点があげられ、最多の53.1％という結果でした。
人材不足という課題解消のひとつとして、「海外リサーチ業務の外注」があります。そこでこの記事では、海外リサーチの意味や方法、おすすめの外注サービスなどを紹介します。大規模ビジネスだけでなく小規模でも気軽に頼みやすいサービスもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
| インテージ | マクロミル | クロス・マーケティング | ビザスク | タスカル | |
| 料金体系 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 月額2.5万円〜 |
| 特徴 | 9カ国に拠点を持つアジアNo.1のリサーチ会社 | ネイティブスタッフの配置、翻訳サポート、調査票の作成など | Webアンケートや翻訳、データのクリーニングまで依頼可能 | 世界190ヵ国・世界190ヶ国40万人超のアドバイザーを保有 | バックオフィス業務全般を依頼可能 |
| 依頼可能な調査 | 要問い合わせ | 課題に応じて調査を組み合わせて実施 | ・ネットリサーチ | ・インタビュー | 要問い合わせ |
参考：海外展開を行っている中小企業は18.0％、国内回帰は2020年以降の増加が目立つ｜日本政府金融公庫
海外リサーチとは
海外リサーチでは海外への新規事業開拓などを目的に、海外市場のニーズや消費トレンド等の調査を行います。事前に海外リサーチを実施することで、海外へ事業を拡大する際にビジネスプランを立てやすくなります。
海外リサーチで取得できる情報
海外リサーチは、目的に応じて主に以下の情報を収集するために実施されます。
| 目的 | リサーチする情報 |
自社商品を 海外で販売したい | 海外ユーザーのニーズ |
| 海外のトレンドや競合他社、業界 | |
| 消費者の年収、特徴 | |
生産部門の拠点を 海外に置きたい | 人件費を削減できる国や地域 |
| 海外で起業したい | 現地の起業方法 |
| その他 | 現地の政治・経済状況 |
| 流通事情 | |
| 法律・税制度 |
海外リサーチの方法
海外リサーチには主に4つの方法があります。それぞれ見ていきましょう。
Webリサーチ
Webリサーチは、検索エンジンやSNSなどを活用し必要な情報を検索する方法です。海外に行かずインターネットさえつながっていれば国内でも簡単に実施できるのが魅力です。
しかし、ネット上には膨大な量の情報があり、なかには誤った情報も紛れ込んでいます。またWebページに記載された情報はツールを使って瞬時に翻訳できますが、検索に使う言葉自体は外国語が必要です。そこで海外のWebリサーチでは、外国語で正確な情報を見極める能力が求められます。
電話調査
電話調査は、対象となる企業や消費者にサービスを体験してもらった後、電話で満足度や使用感などをヒアリングする方法です。主にインターネットの普及が進んでいない国や地域で利用されています。質問の設計スキルや、報告書にわかりやすくまとめる能力が必要です。
現地調査
現地の調査員がアンケートを用いて街中や店頭で実施するなど、現地で調査を行う方法です。効果的に現地調査を行うには、土地勘や店舗情報、言語能力などが必要となるため、現地在住の調査員に依頼すると良いでしょう。
専門家へのヒアリング
現地情報に詳しい専門家へ聞くのもひとつの方法です。例えばJETRO（ジェトロ：日本貿易復興機構）は海外に多数のネットワークを保有しており、食品の輸出や中小企業の海外展開などを支援しています。
他にも海外リサーチ業務に特化している会社に調査を依頼するという方法もあります。インターネットや電話で相談できるので、必要に応じて活用してみましょう。
海外リサーチ業務のおすすめの外注先5選
次に、忙しい経営者におすすめしたい「海外リサーチ業務の外注先」を5選紹介します。
インテージ
株式会社インテージは、国内だけでなく中国や欧米、中東地域において海外調査を提供するアジアNo.1（2023年11月時点）のリサーチ会社です。9カ国に自社拠点を保有しているため、日本人駐在員や現地スタッフからリアルな情報を収集できます。
海外調査は年間約400本ものプロジェクトに取り組んでおり、ジャンルはメーカーやサービス、金融など多岐にわたります。料金は公式ホームページからお問い合わせください。
マクロミル
マクロミルは海外調査や現地調査などを含め、幅広い調査を手掛けているリサーチ会社です。90以上の国や地域、1.1億人のネットワークがあり、複数の方法を組み合わせて海外調査を実施しています。
海外調査専門のネイティブスタッフの配置から翻訳サポート、調査票の作成までカバーしているため、安心して依頼できます。料金は公式ホームページからお問い合わせください。
クロス・マーケティング
株式会社クロス・マーケティングは、幅広い分野におけるリサーチ事業を通して企業にマーケティング支援を提供する企業です。先進国だけでなく、東南アジアやBRICsを含めた世界85カ国以上でリサーチを実施できる点が特長です。
Webアンケートや翻訳、回答データのクリーニングなどを依頼できます。料金は公式ホームページからお問い合わせください。
ビザスク
ビザスクは、一次情報を短時間で収集する調査会社です。56万人超の登録アドバイザー（内40万人超が海外アドバイザー）から情報を収集でき、マーケティングや新規事業の調査に利用できます。
通訳や翻訳サービスの手配まで依頼できるため、トータルサポートを受けられる点がメリットです。料金は公式ホームページからお問い合わせください。
タスカル
タスカルは、月額2.5万円（税抜）から利用できるオンラインアシスタントサービスです。
面倒な一次リサーチだけでなく、メール対応やスケジュール調整、翻訳などのバックオフィス業務を丸ごと依頼できます。
「リサーチ業務だけでなく、ピンポイントでいろいろな仕事を頼みたい」というニーズのある方におすすめのサービスです。年間プランなどもあるので、必要に応じて利用を検討しましょう。
- 年間プラン…27,500円（@2,750円）
- 6ヶ月プラン…33,000円（@3,300円）
- 3ヶ月プラン…44,000円（@4,400円）
タスカルは国内のトレンドマーケティングリサーチも依頼可能です。導入事例はこちらの記事をぜひご覧ください。
海外リサーチ業務を外注してコア業務に集中しよう
海外リサーチ業務は、企業が海外展開を検討するうえで欠かせません。しかし、自社にリサーチにかける時間やノウハウが不足している場合、後回しになりがちです。
そこで海外リサーチ業務を外注すると有益な海外情報を迅速に取得でき、経営者はビジネス戦略の策定や商品の開発などのコア業務に専念できます。海外進出を検討している場合、本記事を参考にリサーチ業務を外注してみると良いでしょう。
