定時退社したいけれど、周りの社員や上司の目が気になってできないという人は多いのではないでしょうか?定時退社には大きなメリットがありますが、実際に実行できない社員が多いというのが実態です。この記事では、社員が定時退社しにくい理由と、いま企業がするべきことを解説していきます。
1.定時退社とは?
まず、定時退社の定義から考えてみましょう。
1.1.定時退社の定時
定時退社の定時とは、企業が定める所定労働時間のことです。所定労働時間は、1日8時間、週40時間という法定労働時間の範囲内に収めることが義務付けられています。そのルールは、企業の就業規則や雇用契約書にも載っているはずです。この定時までに帰宅するのが定時退社です。
1.2.定時を超える場合
定時を超えて仕事をすることを時間外労働と呼びます。簡単に言えば、残業です。企業が社員に残業をさせること自体は全く問題ありませんが、法定労働時間を超えた分は割増賃金を支払わなければいけません。
労働者にとっては、残業をすればもらえる給料が増えるということであり、必ずしも損なことではありません。一方で、残業によって肉体的・精神的負担は大きくなります。
1.3.働き方改革
働き方改革が推奨されるようになったことと長時間労働の弊害が指摘されるようになったことで、定時退社は大きな注目を浴びています。残業、残業では社員も大変で、いくら割増賃金をもらえるといっても、楽ではありません。そのために、定時退社を推進する動も一部の企業で広まっています。
2.定時退社が気まずい理由
「定時退社をしたい、しかしどこか気まずい」というケースが多々あります。なぜ気まずいのか、その理由を探ってみましょう。
2.1.上司が残業している中で帰りにくい
定時退社をしようと思っても、上司がまだ残業に励んでいるというケースは多いです。その上司を差し置いて、部下の自分だけ早く帰宅するというのは気が引けるでしょう。目の前で頑張っている上司を見ると、自分も残業しなければいけないなと思うのが普通です。
2.2.同僚がみな残っている
上司だけではなく、同僚もオフィスに残って残業をしている場合もあります。そうなれば、その同僚を完全無視というわけには行きません。自分も同じように残業しなければという思いになるでしょう。
2.3.「もう帰るの?」と言われる
定時退社の時刻は午後5~7時ころになるでしょうが、遅くまで会社に残る人から見ると、かなり早い時間に感じられます。そのため、定時退社する人に向かって「もう帰るの?」と呼びかける人もいます。そう言われたら、「帰ります」とはなかなか言えないものです。
「いえ、もう少し仕事をしてからにします」と答えることになる場合が多いでしょう。
2.4.協調性を乱したくない
社員全員が定時退社をする企業は別ですが、ほとんどの社員が残業をしている企業では、一人定時退社をすると、仲間外れになるような気がするでしょう。職場の協調性を保つために単独行動がしづらい雰囲気が自然とできてしまいます。
3.定時退社のメリット
気まずい定時退社ではありますが、実現できれば大きなメリットがあります。そのメリットを一つ一つ挙げてみましょう。
3.1.家族と過ごす時間が増える
定時退社ができれば、自ずと家族と過ごす時間を増やすことができます。配偶者や子供たちも、お父さん・お母さんともっと一緒にいたいと思っているはずです。
3.2.勉強時間が取れる
資格取得などを目指している人にとっては仕事が忙しいと、なかなか勉強の時間が取れません。特に残業続きでは、疲労困憊で勉強をする余裕はなくなるでしょう。
定時退社ができれば、勉強に費やせる時間と労力が増えます。資格の勉強もできるようになり、スキルアップに繋げられるでしょう。
3.3.趣味を楽しめる
定時退社でアフターファイブやアフターシックスを趣味の時間に使えます。退勤後に体を動かしたり、映画や音楽の鑑賞をしたりと、充実したひと時を過ごせるようになるでしょう。
3.4.睡眠の時間が増える
残業が続いて帰宅時間が遅いと、寝る時間も遅くなりがちですが、定時退社なら早く就寝できます。そのために、仕事の疲れも翌日に持ち越しにくくなります。
3.5.仕事のメリハリがつく
定時退社をする人は、仕事とプライベートの線引きがはっきりしている傾向にあります。そのため、仕事は業務時間内で集中し、定時になったら帰るというメリハリをつけられます。毎日の生活にもリズムが出て、楽しく日々を送れるようになるでしょう。
4.定時退社を実現するための企業側の施策
ここからは定時退社を推進したいと考える企業の人事・労務担当、現場の管理職の方向けに、企業が取れる施策についていくつか紹介していきます。
4.1.ノー残業デーの設置
企業側が社員の定時退社に向けて取れる施策の一つは、ノー残業デーの設置です。ノー残業デーを全事業部、全社員に適用するのはハードルが高いという会社もあるでしょう。そこで、今回おすすめするのが一人一人の業務内容に応じて個人が定める「MYノー残業デー」という考え方です。
各自の裁量でノー残業デーが決められるため、業務の繁閑に対応ができ、ノー残業・定時退社を継続しやすくなります。この施策を続ければ、職場の雰囲気が少しずつ変わり、ノー残業デー以外の日も定時退社に向けた環境が整っていきやすくなります。
4.2.残業用に執務フロアを分ける
人間には、周囲の人々が早く帰っていれば早く帰り、残業していれば残業してしまう、という同調する習性があります。そこでおすすめするのが、定時退社したい人と残業する人の執務スペースを分けることです。某メーカー企業では、ワンフロアをラウンジに改装し、そこを残業用の部屋にしました。残業をする社員はラウンジまで移動することになり、定時退社の社員はそのままオフィスから帰宅できるようになりました。
このように残業社員を別枠で働かせることで、他の社員は早く帰宅できるという雰囲気を作り出すことも重要です。
4.3.業務の効率化
業務が肥大化すると、いくら社員を定時退社させようと思ってもできなくなります。
そこで企業が検討したいのは、業務の効率化です。
まず余計な手間を省くために、テンプレートやマニュアル、定型フォーマットなどを作成し、社員が業務を進めやすくします。次にIT技術を積極的に導入し、業務が的確・スピーディーにできるようにしましょう。
2020年の新型コロナウイルスの影響でWEB会議システムを取り入れるケースも増えていますが、まだ導入していないならばすぐに利用してみてください。打ち合わせに必要な移動時間などが短縮化され、社員の労働時間の軽減につながります。
また、業務の外注もいい方法です。自社ですべての作業を行うのではなく、外部の企業に委託すれば、社員の負担も減ります。その業務の外注では、バーチャルアシスタントサービス「タスカル」もおすすめなので、利用を検討してみてください。専門的な知見を持ったアシスタントが対応します。
5.まとめ
定時退社には大きなメリットがあり、社員としてはぜひとも利用したいところです。しかし、現実には定時退社には気まずい雰囲気があり、なかなか実行しにくいものです。
そこで、企業側に定時退社がしやすくなるような施策を行ってもらい、社内の仕組みや雰囲気を変えてもらう必要があります。そんな施策の例をいくつか紹介したので、企業側も積極的に取り入れてください。
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