ChatGPTが注目されているものの、ChatGPTのサービス内容や使い方について、以下のような疑問を感じている方は多いのではないでしょうか。
- ChatGPTがどのようなAIなのか分からない
- ChatGPTを使ってどの業務が自動化できるか知りたい
- ChatGPTの使い方を理解したい
本記事では、無料で利用できるChatGPT(GPT-3.5)の使い方やビジネスで活用できること、使用上の注意などを紹介します。ChatGPTをビジネスで活用して、業務効率化につなげましょう。
ChatGPTとは対話型生成AIツール
ChatGPT(GPT-3.5)とは、対話しながら文章などを自動生成できる無料のAIツールです。Microsoft社の出資しているOpenAIが、2022年11月にChatGPTを公開しました。公開後わずか2か月で1億人のユーザーを獲得し、話題を集めています。
ChatGPTはWebサイトにある情報を学習して蓄積し、ユーザーの質問に対して会話形式で答えてくれます。1度で網羅的に調べることはできませんが、疑問に対して端的な回答を得ることができます。
ChatGPTの得意な分野・苦手な分野
無料で利用できるChatGPT(GPT-3.5)の得意な分野と、苦手な分野を解説します。得意な分野は、以下のとおりです。
ChatGPT(GPT-3.5)の得意分野
- 文章の作成・要約
- 自然な会話
- 文章の校正
- コード生成
一方ChatGPTにも不向きなことがあります。苦手分野は以下のとおりです。
ChatGPT(GPT-3.5)の苦手分野
- 最新情報の取得
- 正確性が求められる回答
- マイナーな分野に関する回答
- 独自性が求められること
ChatGPTは学習したデータから相応しい回答を導き出すため、情報の鮮度が低く、平均的な回答を生成しやすい傾向があります。ChatGPTが得意としている業務で活用するのが有効です。
無料版と有料版の違い
ChatGPTには無料で利用できるGPT-3.5と、有料版のChatGPT Plus(GPT-4.0)があり、搭載しているエンジンの性能に違いがあります。それぞれの違いを以下にまとめました。
| ChatGPT(GPT-3.5) | ChatGPT Plus(GPT-4.0) |
料金 | 無料 | 有料(20ドル/月) |
回答の精度 | △ | 〇 |
生成速度 | 〇 | ◎ |
プラグインの利用 | × | 〇 |
画像・音声の読み込み | × | 〇 |
有料版のChatGPT Plusは、テキストのほかに画像や音声を読み込んで質問したり、プラグインを利用したりと利用できる機能の幅が広がっています。
無料版に比べて回答精度も向上しているので、ChatGPTを積極的に利用したい方は有料版を検討してみるのもひとつです。
ChatGPTの使い方
ChatGPT(GPT-3.5)の使い方を3工程に分けて解説します。
1. OpenAIの公式サイトにアクセス
OpenAIの公式サイトにアクセスして「TRY ChatGPT」をクリックします。
公式サイトは英語で表記されていますが、Chromeの拡張機能を使えば日本語で表示することもできます。
2.アカウント登録
引用:ChatGPT
遷移した画面の「Sign up」からアカウントを作成します。
引用:ChatGPT
アカウントは電子メールアドレスのほか、Googleアカウント、Microsoftアカウント、Appleアカウントで作ることが可能です。アカウント登録の手順は以下の通りです。
アカウント登録の手順
- 電子メールアドレスかGoogleアカウントなどを入力
- 電話番号を入力
- SMSで認証コードが届く
- 認証コードを入力
- 表示されたポップアップを「Next」で進めて、アカウント登録完了
3.ChatGPTに質問を入力
引用:ChatGPT
アカウントに登録すると、画面の下部に質問の入力欄が表示されるので、質問や指示を入力しましょう。例えば、ChatGPTに質問すると以下のように瞬時に回答を生成します。
ChatGPTをはじめとした対話型の生成AIへの質問や指示は「プロンプト」と呼ばれています。対話型生成AIはプロンプトによって生成する回答が変わりため、適した回答を生成してもらうには具体的でわかりやすい質問や指示をすることが重要です。
ChatGPTは、パソコンのほかにスマートフォン、アプリでも利用できます。
ChatGPTをビジネスで活用できること
ビジネスで活用する際に、ChatGPTでできることを分かりやすく解説します。
企画のアイデア出し・壁打ち
ChatGPTは、人間と対話するように自然な会話文で答えを返してくれます。そのため、対話しながら考えを深めることができるので、企画のアイデアを出したり、壁打ちをしたりする際に役立ちます。
思いついたアイデアに対して、ChatGPTに課題や改善点などをあげてもらうことで、アイデアのブラッシュアップが可能です。
関数やプログラミング言語の記述
ChatGPTは、Googleスプレッドシートの関数やプログラミング言語に関する質問にも回答可能です。
HTMLなどのコードを具体的に記述してくれるため、コピーアンドペーストするだけで使えます。簡単な内容なら、エンジニアのコーディング業務のサポートにつなげられるでしょう。
Googleスプレッドシート内でChatGPTを使う時は、「ChatGPT関数」というChromeの拡張機能を使うと自動的に入力できます。
メールやチャットの文章作成
ChatGPTは文章生成に優れているので、お礼メールや依頼メール、ユーザーへの回答などの文章作成に適しています。
商談日程の打診であれば「候補日や場所」など、盛り込みたい内容をプロンプトで指示することで、実用性の高いメールの文章を作成することが可能です。
受信する相手の立場やメールの目的などを明確にして、指示するとよいでしょう。
記事作成のサポート
ChatGPTは、記事や小説、エッセイなどの文章作成も可能です。与えたキーワードをもとに構成案やタイトル案、文章を作成してくれるため、自社のブログ記事の作成に活かすことができます。
ChatGPTで記事の大枠を作成して、一次情報や図解などを加えるとよいでしょう。
ただ与えたキーワードによって、漠然とした内容だったり内容に間違いがあったりするケースもあるため、ファクトチェックは必須です。
マニュアル作成のサポート
ChatGPTを活用して、業務マニュアルのたたき台を作成できます。例えば、以下のように売上管理の工程をまとめてくれるのです。
一般的な業務であれば、マニュアルの土台をかんたんに作成できます。一から作る手間がなくなるので、マニュアル作成業務の効率化が図れます。
クロスレビューの実施
企画のアイデアや商品・サービスなどに対して複数人から意見をもらいたいときに、ChatGPTを活用できます。
「マーケティング」「エンジニア」「法務」など意見をもらい立場や視点をプロンプトで指定して、クロスレビューを実施しましょう。
多角的な視点で意見をもらることで、新たな課題やニーズの発見につながります。
ChatGPT使用時の注意点
ChatGPTを使う際に、注意したいポイントを4つあげて説明します。
機密情報は入力しない
ChatGPTに機密情報や重要な個人情報は入力しないようにしましょう。
ChatGPT開発者側に見られたり、学習データとして利用されたりする可能性があるため、AIであったとしても機密情報は共有しないほうが望ましいからです。
機密データなどの情報漏洩や不正アクセスを防ぐために、機密情報や個人情報を入力しないよう注意しましょう。
生成した回答の情報を精査する
ChatGPTが生成した回答は、常に正しいとは限りません。ChatGPTは、学習したデータを基に適した回答するため、事実とは異なる内容を生成してしまうことがあります。
例えば、以下のように「渋谷駅周辺でランチタイムにおすすめのお店を5つ教えてください」という質問に対して、実在しない店舗を紹介しています。
生成AIが事実に基づかず、もっともらしい回答を生成してしまう現象は「ハルシネーション」と呼ばれており、ChatGPTを利用するうえで注意が必要です。
利用時には、生成した回答が本当に正しいのかを必ず精査するようにしましょう。
生成した回答が正しいかどうかを判断するために、利用者側にも基本的な知識は求められます。
具体的に質問・指示する
ChatGPTは、具体的に質問したほうがより精度の高い返答が得られやすい傾向にあります。
例えば「〇〇〇について教えてください」のように曖昧な質問では、求めていた回答を引き出せない恐れがあるからです。
「初心者でも理解できるように説明してください」「200文字以内で要約してください」など具体的に指示することで、精度の高い回答を得られやすくなるでしょう。
最新情報にはアクセスできない
ChatGPT(GPT-3.5)は、最新情報にアクセスすることができません。
2021年までに学習した情報を基に生成するため、古い情報や誤った情報を回答する可能性があります。
そのため、トレンドを踏まえたうえで情報収集したいときは、ChatGPTの利用は不向きです。
ChatGPTを使ったビジネスで役立つサービス3選
ChatGPTと連携したビジネスシーンで役立つサービスを3つ紹介します。
Imachika
店舗自動集客ツールの「Imachika」は、口コミに自動返信するオプション『Imachika口コミGPT』が搭載されています。
Googleビジネスプロフィールなどに口コミが書き込まれた時、内容に適したメッセージが自動的に返信されます。
サービス名 | Imachika |
特徴 | Googleビジネスプロフィールなどへの口コミに対して自動返答を行う |
運営会社 | いまチカ 株式会社 |
BOTCHAN AI
「BOTCHAN AI」は、ChatGPTを搭載したチャットボットがユーザーの質問に回答するオンライン接客ツールです。
ユーザーの質問や問い合わせに対して自動で回答するので、オペレータやカスタマーサポート業務の負担を削減します。
ユーザーからの問い合わせに24時間対応できるようになるため、顧客体験の向上が期待できるツールです。
サービス名 | BOTCHAN AI |
特徴 | チャットボットでユーザーの質問や問い合わせに自動回答するオンライン接客ツール |
運営会社 | 株式会社wevnal |
Creative Drive
企業のマーケティングを支援する株式会社chipperが提供している「Creative Drive」は、SEOの知見とChatGPTの技術を連動させたAI記事生成ツールです。
作成したい記事のキーワードを入力するだけで、5,000文字〜10,000字程度の記事をワンクリックで生成します。
記事作成のための下調べやキーワードの配置などが自動化され、手軽にSEO記事を作成することが可能です。
サービス名 | Creative Drive |
特徴 | キーワードリサーチやタイトル作成、本文の作成などが自動化される |
運営会社 | 株式会社chipper |
ChatGPTが苦手な分野はオンラインアシスタントでカバーする方法も
ChatGPTは、記事作成やマニュアル作成のサポート、アイデア出しなどビジネスのさまざまな場面で活用できます。
しかしChatGPTは最新情報にはアクセスできないため、業務を丸投げしたり、生成した回答をそのまま利用したりせずに、必ず人の目で回答の情報精査をする必要があります。
そこでChatGPTを業務に活用しつつ、オンラインアシスタントサービスで専門スキルを持った人材に業務を依頼するのもひとつの手段です。ChatGPTの利用とあわせて、オンラインアシスタントの導入を検討してみてはいかがでしょうか。