「個人事業主から法人化する時の、流れやタスクについて知りたい」と考えている方はいませんか?
会社の設立や事業の移行には、さまざまな機関への書類提出や手続きが必要です。早い段階で「やるべきこと」について知っておくと、スムーズに事業を開始できます。
本記事では、個人事業主から法人化する際の流れやタスク、法人化した後に発生するバックオフィス業務について解説していきます。
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個人事業主から法人化への流れ
この章では、個人事業主から法人化への流れについて、以下4つのステップで紹介します。
- 会社の基本事項を決めて定款を作成する
- 定款の認証を受ける
- 資本金の払い込みを行う
- 会社設立の登記申請を行う
【STEP1】会社の基本事項を決めて定款を作成する
株式会社の場合、事業目的や会計年度といった基本事項を決めていきます。運営の決まりをまとめた定款(ていかん)の絶対的記載事項には、以下の情報が必要です。
- 商号(会社の名前)
- 本店の所在地
- 事業目的
- 発起人(後に株主となる者)の氏名または名称、住所
- 設立に際して出資される財産の価額またはその最低額
定款の認証に先立ち、会社の基本事項を決めておきましょう。
【STEP2】定款の認証を受ける
株式会社の設立に伴い、公証人から定款の認証を受ける必要があります。公証人とは、検事や弁護士、司法書士といった法律の専門家のことです。定款認証手続きの流れは以下の通りです。
1.事前の相談・審査 | 電話やメールで公証人に相談し、定款の内容が確定。 実質的支配者となる者の申告の相談と審査も行う。 |
2.申請 | 公証役場へ書類 (紙) を持参。 または法務省のオンライン申請システム(電子定款) で申請。 |
3.定款の最終審査 | 公証人は定款の内容を最終確認する。 |
4.面前確認 | 公証人の前で定款の作成名義の真正など確認する。 電子定款の場合、Web会議でも可能。 |
5.認証、 謄本交付等 | 公証人が定款 (紙)に署名や押印を行う。(電子でも可能) Web会議で行った場合、オンラインでのダウンロードも可能。 |
紙での申請の場合、印紙税額(収入印紙)に4万円かかります。「できるだけ費用を抑えたい」「自宅やオフィスから申請したい」といった場合、電子定款が適しているでしょう。法務省も、一人社長や小規模な会社には、全てオンラインで完結させる申請方法を推奨しています。
「登記・供託オンライン申請システム」は、インターネット、またはLGWAN・政府共通ネットワークを利用して申請や請求を行うシステムです。また、デジタル庁が提供する「法人設立ワンストップサービス」は、マイナポータルから定款認証や設立登記の申請ができます。
【STEP3】資本金の払い込みを行う
法人登記の完了前に当たる「資本金の払い込み」を行うタイミングでは、会社名義の口座を開設できません。従って資本金は、発起人名義の口座に払い込む必要があります。
会社設立の登記申請では、「資本金の払込みを証明する書面」を提出しなければいけません。通帳の表紙や振込内容が記載された箇所をコピーして保管しておきましょう。
【STEP4】会社設立の登記申請を行う
登記とは、個人や法人が持つ財産上の権利や義務を公に示すため、帳簿(登記簿)に記載することを指します。会社を設立した際には、法務局で登記申請を行いましょう。
下記では、株式会社設立に伴う、登記申請で必要な書類の一部をまとめました。
- 登記申請書
- 定款
- 発起人の同意書
- 設立時代表取締役や取締役などの就任承諾書
- 設立時代表取締役と取締役などの印鑑証明書
- 資本金の払込みを証明する書面
- 設立時取締役等の本人確認証明書 など
登記の申請方法は、紙とオンラインの2つがあります。紙での申請は、登録免許税納付用台紙(収入印紙を貼り付けた台紙)が必要です。登記申請は代理人でも可能で、その場合は委任状も提出しましょう。
また、QRコード(二次元バーコード)付きの書面で申請する方法もあります。「登記・供託オンライン申請システム」から無料の専用ソフトをダウンロードして使いましょう。
オンラインの場合「法人設立ワンストップサービス」を利用して、代表取締役が登記申請できます。登記完了予定日を調べたい時は、「各法務局のホームページ」から事業所がある都道府県の法務局を選び、検索窓から「登記完了予定日 〇〇(都道府県名)」と入力して確認してみましょう。
個人事業主から法人化する時に必要なタスク
個人事業主から法人化する場合、さまざまな準備が必要です。この章では、個人事業主から法人化へ移行する際に必要となるタスクについて解説します。
- 会社名義の銀行口座を作る
- 個人事業主の廃業手続きをする
- 資産や債務を移行する
- 各機関へ届出を提出する
- 各種保険の手続きを行う
会社名義の銀行口座を作る
法人化した後は、会社名義の銀行口座を開設しましょう。仕事上での金銭のやり取りと、プライベートのお金を区別することで、確定申告といった税務処理がスムーズになります。
また、法人口座は社会的な信用にも繋がります。金融機関からの融資では、法人口座でなければ借入金を受け取れないケースもあるくらいです。
振り込みや支払い、入金など、事業開始後すぐに銀行口座が必要となることもあるため、早めに準備しておきましょう。
個人事業主の廃業手続きをする
廃業して1ヶ月以内に、税務署で個人事業の「廃業届(個人事業の開業・廃業等届出書)」を税務署に提出します。
青色申告をしていた場合は「所得税の青色申告の取りやめ届出書」、従業員を雇っていた場合は「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」も提出します。
個人事業主を廃業しても、確定申告は忘れず行いましょう。
出典:国税庁|A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続/ A1-10 所得税の青色申告の取りやめ手続 / A2-7 給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出
資産や債務を移行する
個人事業主として確保していた資産や債務を、法人化に変更する必要があります。資産を移行する方法には、主に「売買契約」「賃貸契約」「現物出資」の3つです。
- 売買契約…個人事業主と法人との間で事業を売買する契約
- 賃貸契約…個人事業主の時の資産を法人に貸し出す契約
- 現物出資…個人事業主としての資産を会社設立時の資本金にする
税務上の手続きや取り扱いは、それぞれ異なるため注意が必要です。また債務の移行は、以下の通り「併存的債務引受」「免責的債務引受」の2つの方法があります。
- 併存的債務引受…設立した会社と個人事業主が共に債務者になる方法
- 免責的債務引受…設立した会社が単独で債務を引き受ける方法
出典:国税庁|債務引受けの意義
資産や債務の移行に関する判断は、専門的な知識を要します。詳細な内容や疑問点など、税理士に相談してみるのがおすすめです。
各機関へ届出を提出する
法人設立後には、「法人設立届出書」といった書類を税務署に提出しなければいけません。また、必要に応じて他の書類も提出します。
例えば、青色申告をする場合は「青色申告の承認申請書」を、従業員への給与支払いが必要な場合は「源泉所得税関係の届出書」「給与支払事務所等の開設届出書」を税務署に提出します。
なお、「法人設立届出書」は、法人設立の日以後、2か月以内に提出しなければいけません。期限を守り、各機関へ届出を提出していきましょう。
出典:国税庁|No.5100 新設法人の届出書類 / 個人で事業を始めたとき/法人を設立したとき
各種保険の手続きを行う
従業員や役員の数に関係なく、法人化すると、基本的に社会保険へ加入しなければいけません。社会保険とは、健康保険・厚生年金保険・介護保険・労災保険・雇用保険のことです。
下記では、それぞれの保険で提出すべき書類と提出先についてまとめました。
健康保険 | 健康保険・厚生年金保険 新規適用届 健康保険・厚生年金 被保険者資格取得届 など | 年金事務所 |
厚生年金保険 | ||
介護保険 | (健康保険に付随) | |
労災保険 | 労災保険関係成立届 労働保険概算保険料申込書 など | 労働基準監督署 |
雇用保険 | (労働者を雇い入れることとなった場合) 雇用保険適用事業所設置届 雇用保険被保険者資格取得届 | ハローワーク |
出典:日本年金機構|事業所を設立し、健康保険・厚生年金保険の適用を受けようとするとき / 厚生労働省|労働保険の成立手続
これら全ての書類作成や提出を手作業で行う場合、時間も手間もかかります。法人設立の届出や保険の手続きを一度で行える「法人設立ワンストップサービス」といったサービスを活用して、効率的に進めていきましょう。
個人事業主から法人化した後に発生するバックオフィス業務
個人事業主から法人化した後は、さまざまな業務が重なり忙しくなることも多いでしょう。そんな中、常に発生するのが、以下のようなバックオフィス業務です。
- 秘書…メールの返信、スケジュール管理、データ入力
- 人事…採用、募集対応
- 経理…給与計算、仕入れ管理
- Web関連…SNS運用代行、Web制作 など
バックオフィス業務は毎月コンスタントに発生する業務ながら、コア業務ではないためできるだけ時間は割きたくないものです。
タスカルは経理や人事など、さまざまなバックオフィス業務をまるっと依頼できるオンラインアシスタントサービスです。一人社長やベンチャー・小規模事業者を中心に、多くの企業のバックオフィス業務を担当しています。以下の導入企業事例もぜひご覧ください。
個人事業主から法人化後のバックオフィス業務は代行依頼しよう
個人事業主から法人化への移行は、さまざまな手続きが必要です。判断に困る場合は、会社設立に詳しい税理士といった専門家に相談しながら進めてみてください。
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