会社設立は新たな門出です。お祝いの品を贈って前途を祝したいものです。しかし、会社設立の贈答品として何を贈ればいいのか見当がつかないかもしれません。
「どんな贈り物が相手に喜んでもらえるか」、「お祝い品を送る際にマナー違反があってはいけない」
このような悩みをもつ人も少なくないでしょう。そこで、この記事では会社設立時に喜ばれる贈答品を紹介します。他にもお祝いの相場やタイミング、縁起が悪いとされていることなどマナーも解説します。この記事を読めばマナー初心者でも心配なく、相手に贈答品を贈れるようになります。
1、会社設立のお祝いとして喜ばれる物とは?
(1)胡蝶蘭
胡蝶蘭は「幸福が飛んでくる」とされ、縁起物です。オフィスに置いておくだけで雰囲気も華やぎます。しかも、胡蝶蘭は丈夫で、水やりの手間も少なくすみます。
しかし、定番であるために他の人とかぶってしまう恐れもあります。胡蝶蘭が色々な人から何個も届くと、思いのほか場所を取ってしまいます。場合によっては相手にとってはありがた迷惑に感じることもあるかもしれません。この点は注意が必要です。
(2)現金・商品券
新しく事業を始める際には経費がかかってしまうものです。現金や商品券をもらえば、現実的に相手も助かります。会社設立のお祝いとしては無難でしょう。
しかし、自分の印象を残すという点では物を贈る場合に比べると劣ってしまいます。現金や商品券の場合、個性を表現しにくい点は否めません。
(3)観葉植物
観葉植物は会社設立のお祝い品でも人気な品の1つです。観葉植物には空気を浄化する作用があります。しかし、虫がついたり、水やりが面倒という点もあります。
(4)お酒
日本酒やワイン、シャンパンも贈答品には好まれます。新規開業の際にはお祝いの席が設けられることも多く、その際に振る舞うこともできます。 ただし、事務所の雰囲気にマッチした品物を選定するべきです。例えば、洋風なオフィスであればワインがよいでしょうし、和風な雰囲気であれば日本酒が適当でしょう。
(5)招き猫
福を招くとされ、昔から縁起物とされます。最近は凝ったデザインのものも多く、おしゃれなものもあります。事務所の雰囲気を明るくしてくれ、会社を発展させてくれるものとして相手から喜ばれるでしょう。
(6)カタログギフト
カタログギフトであれば、品物がかぶるという心配はありません。相手方に選んでもらえるので、好みを考えて悩む必要もありません。
もっとも、 相手がカタログを見て品物を選ぶ手間があり、 人によっては煩わしいと感じるかもしれません。また、カタログだけ渡して終わりになるので、素っ気ない印象を与える恐れもあります。
カタログギフトを良いと感じるか、悪いと感じるかは、印象が分かれるところです。 個人差が大きいので贈る相手の人となりをよく考えてから、贈るべきでしょう。
(7)コーヒーメーカー
コーヒーを飲んで一息ついてもらうという意味で、コーヒーメーカーも贈答品として人気が高いです。価格も1万~2万円程度で買うことができ、価格的にも手頃です。
(8)家電製品
会社設立当初は業務用の備品が揃っていないこともあります。このため、喜ばれるだろうということで家電製品が贈答品に選定されがちです。
もっとも、相手がその家電を本当に必要とするかどうか、どれくらいの大きさのものにするか、デザインはどうするか慎重に考えるべきでしょう。サイズが大きくなく、無難なデザインでどの事業所も必要とする家電を選びたいものです。例えば、空気清浄機や加湿器はコロナ禍を反映して喜ばれるお祝いになります。
2、会社設立のお祝いとして避けるべき物とは?
(1)赤い色の物や火事を連想させる物
赤い色は「火事」を連想させます。例えば真紅の薔薇は避けましょう。また、ストーブやヒーターなどの暖房器具や、ライター・灰皿、キャンドルは火を使うもので、火事につながります。他に、赤いものは「赤字」を連想させます。これらは会社設立の際、贈答品としては NG です 。
(2)踏みつけるもの
足で踏みつけて使うものはお祝いに相応しくありません。会社が踏まれる、倒れることをイメージさせます。具体的にはスリッパや敷きマットです。相手方に対して失礼になってしまいます。お祝いとしては避けるべきでしょう。
(3)お茶の葉・海苔
葬儀の際に香典返しとして使われることが多く、仏事を連想させます。慶事の贈答品には不適切です。
(4)ハンカチ
ハンカチは相手との別れや手切れを表します。 会社設立という門出にはふさわしくないでしょう。
(5)文房具
文房具は一般的に学びや勤勉さを表します。しかし、これが転じて「勤勉になりなさい」という叱咤激励と捉えられることもあります。相手に対する無用の励ましという点でお祝いの品には避けるべきです。
3、会社設立のお祝いを贈る際のマナーとは?
マナー①:会社設立のお祝いの相場とは?
知人や友人が会社を設立した場合であれば5000円~1万円で、仕事上の得意先であれば1万円~3万円が妥当なところでしょう。家族などの身内の場合は3万円~5万円です。相手との関係性に応じて金額は変動します。なお、お金は必ず新札を 用意しましょう。
マナー②:会社設立のお祝いを贈る時期はいつがよいか?
新規開業の当日や前日は、業務が多忙になりがちです。少しゆとりをもってお祝いを贈るのが良いでしょう。できれば会社設立の1週間前から数日前までが適当です。送付する際も日付指定をしてトラブルのないようにしましょう。
マナー③:縁起が悪いとされる数字とは?
数字の中でも「4、9、13」は縁起が悪いとされています。4は「死」を、9は「苦」を連想させるため不吉とされています。「13」はキリスト教でサタンを表す数字といわれます。贈答品の数が、これらの数字に該当しないように気をつけてください。
マナー④:祝儀袋の選び方
祝儀袋は、熨斗と水引がついているものを選びましょう。祝儀袋の表面に書く表書は、毛筆を用いて楷書で書きます。毛筆が難しければ、筆ペンやマーカーでも大丈夫です。ボールペンや万年筆は避けた方がよいでしょう。文字数ですが、4文字は縁起が悪いとされています。例えば「開業祝い」ではなく「開業祝」とするべきです。
マナー⑤:贈り物にメッセージを添えるべきか?
絶対に添えるべきとまではいえませんが、可能であるならメッセージも添付したほうが良いでしょう。 メッセージはごく端的に書けばよいです。ただし、絶対に間違ってはいけないのが相手方の氏名や会社名、役職名です。
4、まとめ
起業して自分で事業を始める場合、最初に着手するのは会社設立です。近年は起業をする人が増えています。身近な人が会社を設立するケースも出てくるでしょう。そんなときのために、会社設立時のお祝いとしてどんなものを贈ればよいか解説してきました。また、基本的なマナーも取り上げました。上述のマナーを守れば、常識的な基準は満たしています。相手に対して失礼となることもないでしょう。
マナー初心者の方でこれから贈答品を考えようという方は、この記事を参考にして失敗のない会社設立祝いにしてください。