広告の運用担当者にとって毎月の広告レポートの作成は大きな負担です。ひどい時にはレポート作成業務に終日かかりきりになることもあります。
このため、手作業によるレポート作成はやめて自動化したいという希望を持つ運用担当者は少なくないでしょう。業務効率の面からもレポート作成ではなく広告運用の改善施策の考察にリソースを使う方が効率的です。
この記事では、広告レポートの作成を自動化したいと思っている担当者に向けてWeb広告レポート作成を自動化するメリットとデメリットを説明します。 そのうえでオススメの自動化ツールとオンラインアシスタントの活用も合わせて解説します。
実際にオンラインアシスタント「タスカル」に広告レポート業務を委託している企業様のインタビューもご覧ください。

1、顧客に広告レポートを納品する目的
(1)情報共有の重要性
情報共有が最大の目的です。広告レポートを納品することで数値や配信状況の共有を行います。情報共有を行い、運用担当者とクライアントの認識を合わせるのです。こうすることで問題意識を共有しながら、広告の成果向上という共通の目標に向けて進んでいけるのです。
客観的な数値は過去のデータにすぎませんが、情報共有して分析することでクライアントのビジネスを成長させるヒントを明らかにできます。
(2)情報共有を欠く場合の弊害
逆に広告レポートを作成しなければ運用状況をクライアントと共有できません。結果的に運用担当者とクライアントの間に認識の齟齬が生じ、有益な改善施策を提案したとしても受け入れられない場合さえ出てきかねないのです。
2、広告レポートの作成で自動化ツールを使うメリットとデメリット
広告レポートツールにはメリットがある反面、デメリットもあります。 メリットをしっかり理解したうえでデメリットも把握することで適切な判断ができるでしょう。メリットとデメリットを理解すれば自社にとって最適な選択ができるようになります。
広告レポートツールはメリットがある反面でデメリットもあります。メリットだけを見るのではなくデメリットも踏まえた上で自社にとって最適なツールを検討するべきです。
(1)メリット
①レポート作成時間の短縮
手作業でレポートを作成する場合、かなりの時間を要してしまいます。 業務時間の2割程度をレポート作成にさかれるともいわれています。このような負担の大きい作業を週次報告書であれば毎週、 月次報告書であれば毎月、行わなければならないのです。
負担が大きい作業だからこそツールを導入して作業時間の短縮を図ることは大きなメリットを持ちます。レポートの作成に比べて分析作業は属人的な業務で人が行うしかないものです。
そうであればツールに任せられるところは思い切って任せてしまうのが効率的でしょう。分析作業などのコアな業務に時間を費やせば広告の成果向上につながるはずです。
②人為的なミスの防止
担当者が広告レポートを作成していると、 必ず起きてしまうのが数値の入力ミスなどの人為的なミスです。広告レポートは細かい数字の積み上げだからこそ小さな数値の間違いも許されません。
しかし、手作業で入力を行っている以上必然的にミスも生じてしまいます。だからこそツールを利用して人為的なミスを防止するのは有効な施策といえます。
数字上のミスを防止して担当者は分析業務に集中する。 このようなリソースの割り振りは業務の効率性を高めてくれるはずです。
(2)デメリット
①レポート形式が固定されていること
ツールのデメリットとしてはあらかじめ形式が決められていて必要な形式にまとめられないことがあります。もちろん、どのツールにもある程度カスタマイズする機能が備わっています。
しかし、完全に自分の思い通りにまとめられるとは限らないのが現実です。特に手頃な価格でツールを利用する場合にこのような問題が発生しがちです。
②準備時間の必要性
ツールを使うことで逆に時間がかかってしまう面もあります。 具体的には、使い方を覚えたり、 ツールに習熟するための準備時間がかかってしまうことです。
ツールによっては使い方自体が複雑なものもあり、 マニュアルに沿ってマスターするだけでも一定の時間を要します。複数のツールを導入するとなるとさらに準備時間が増えてしまいます。
3、広告レポート作成を自動化できるツール6選
(1)ATOM(アトム)
ATOMにはレポートのテンプレートが100種類以上あります。レポートのフォーマットも自由にカスタマイズできます。また、バナー広告のレポート作成にも対応しています。例えばGoogle ディスプレイネットワーク(GDN)やYahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)、Facebook広告、Twitter広告などを扱う場合も対応できます。
(2)Lisket(リスケット)
安価で導入できることが一番のポイントです。 リーズナブルに利用でき、機能面でも十分な内容を備えています。広告レポートの作成機能はもちろん予算管理まで行うことができます。
レポートのテンプレートはやや限られますが、広告運用を行う上で必須の数値をわかりやすく示すテンプレートです。初めてツールを導入する場合には特におすすめと言えます。
(3) Databeat Explore
Google 広告や Yahoo 広告はもちろん、SNS 広告やディスプレイ広告まで幅広く網羅しており、複数の広告をまたいでのAPI連携が可能です。いくつもの広告媒体を運用している時に全てを同時に反映するレポートを作成できます。データの出力もエクセルやGoogle スプレッドシートなど代表的な形式に対応しています。
データの抽出からレポートの作成までの一連の業務フローを自動化できます。導入すれば大幅な業務効率化を図れるでしょう。
(4)Shirofune
無料トライアル期間が2ヶ月とかなり長いのが特徴です。 他のツールに比べて、じっくり試して自分に合っているかどうかを確かめたうえで申し込むことが出来ます。
多機能であることも特徴です。レポート作成はもちろん予算管理やコストの最適化も自動化してくれます。また効果的なキーワードの提案機能も付いており、広告運用の初心者にとっては嬉しい機能です。
(5)アドレポ
20社以上の広告媒体との API連携が可能です。現状では国内のツールとしてはトップクラスといえます。クライアントが多数にのぼる運用担当者には適したツールと言えます。
広告レポートのカスタマイズ性も高く、自由にレポート作成を行うことができます。 アドレポで特徴的なのはデータ分析や運用改善の提案も自動出力できることです。 レポート作成はもちろん改善提案まで自動化できます。
(6)glu
gluの特徴はサポート体制が充実していることです。具体的には、導入前・導入初期・導入後という3段階に分けて担当者によるサポートを受けられます。ツールを利用する場合、導入の前後で特にサポートが必要になります。このような手厚いサポート体制は非常に助かるところです。
また各種のツールと連携ができることもgluの特徴です。例えば Google アナリティクスやGoogle データポータル、その他のBIツールとの連携にも対応しています。収集したデータを他のツールと連携して分析を実施できるのです。BIツールとgluを併用することで レポート作成はほぼ自動化できます。
4、オンラインアシスタントに広告レポート作成を依頼する
(1)広告レポート作成はオンラインアシスタントに外注できる?
広告レポートの作成には、ツールを使って自動化する方法の他にオンラインアシスタントに依頼する方法もあります。オンラインアシスタントを広告レポートの作成に活用することはあまり注目されておらず、 盲点といえるかもしれません。実際に、このスキームを活用している企業様の記事もぜひご覧ください。

(2)オンラインアシスタントに広告レポート作成を依頼するメリットとは?
第一に、 レポートの形式を完全に思う通りに指定できることです。 ツールの場合、ある程度形式が固定されているところをオンラインアシスタントであれば具体的にオーダーして完全に自分好みの形式に仕上げることができます。
第二に、ツールの使い方を覚える時間が不要であることです。 ツールの場合どうしてもマニュアルに習熟するための時間が必須となります。この点、オンラインアシスタントであれば必要な内容をディレクターに伝えることで柔軟にレポートを作成できます。
広告レポート作成ツールは便利ですが、 上述したようなデメリットもあります。 この点を認識してオンラインアシスタントの活用も選択肢として考えたいものです。
5、まとめ
広告レポート作成に関する悩み、例えば時間をとられて分析作業が進まない、手作業でレポート作成を行った結果数値のミスが入ってしまった、これらは広告運用業務を行っていると起きがちな問題です。
だからこそ自動化できるところは自動化することが大切といえます。ツールやオンラインアシスタントなど時短のための選択肢はいくつもあります。業務にメリハリをつけて効率化できるところはどんどん効率化していく。 このような姿勢が広告運用業務における生産性の向上につながります。
自社に合ったサービスを見つけることができればレポート作成にかけていた時間を大幅に短縮できます。業務の効率化を通じて広告運用全体の生産性を上げていきたいものです。この記事が広告レポート作成の自動化を図るうえで参考になれば幸いです。