個人事業主には、所得税や住民税、個人事業税、消費税など、さまざまな税金が関係します。それぞれ納付時期が異なるため、「いつ、どの税金を支払えばよいのかわからない」と感じる方もいるのではないでしょうか。
納期限を過ぎないためには、自分に関係する税金を把握したうえで、年間の納付スケジュールをあらかじめ確認しておくことが大切です。
本記事では、個人事業主に関係する主な税金の納付時期を月別のカレンダー形式で紹介します。各税金の概要や対象となるケース、主な支払方法についても解説するので、税金のスケジュール管理にお役立てください。
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個人事業主の税金カレンダー|月別の納付スケジュール
個人事業主が納める税金は、種類によって納付時期が異なります。納期限を過ぎないよう、年間のスケジュールをあらかじめ把握しておきましょう。
以下は、個人事業主に関係する主な税金の納付時期を月別にまとめたものです。地方税については東京都23区のスケジュールを参考にしていますが、自治体によって納期限が異なる場合があります。
なお、すべての個人事業主に以下の税金がかかるわけではありません。所得や所有する資産、従業員の有無などによって、納付が必要な税金は異なります。
| 月 | 納付時期の目安 | 主な税金 |
|---|---|---|
| 1月 | 20日 | 源泉所得税及び復興特別所得税(納期の特例を受けている場合の前年7~12月支払分) |
| 1月末 | 個人住民税(普通徴収)の第4期 | |
| 2月 | 2月 | 固定資産税(土地・家屋/償却資産)の第4期※ |
| 3月 | 15日 | 所得税及び復興特別所得税の確定申告・納付期限 |
| 31日 | 消費税及び地方消費税の確定申告・納付期限 | |
| 4月 | ― | 主な納期限なし |
| 5月 | 5月末 | 自動車税、軽自動車税(種別割) |
| 6月 | 6月末 | 個人住民税(普通徴収)の第1期 |
| 6月 | 固定資産税(土地・家屋/償却資産)の第1期※ | |
| 7月 | 10日 | 源泉所得税及び復興特別所得税(納期の特例を受けている場合の1~6月支払分) |
| 31日 | 所得税及び復興特別所得税の予定納税(第1期) | |
| 8月 | 8月末 | 個人住民税(普通徴収)の第2期 |
| 31日 | 個人事業税の第1期 | |
| 9月 | 9月 | 固定資産税(土地・家屋/償却資産)の第2期※ |
| 10月 | 10月末 | 個人住民税(普通徴収)の第3期 |
| 11月 | 30日 | 所得税及び復興特別所得税の予定納税(第2期) |
| 30日 | 個人事業税の第2期 | |
| 12月 | 12月 | 固定資産税(土地・家屋/償却資産)の第3期※ |
また、源泉徴収義務者が給与や一定の報酬などから源泉徴収した所得税及び復興特別所得税は、原則として支払った月の翌月10日までに納付します。給与の支給人員が常時10人未満で、納期の特例の適用を受けている場合は、1~6月支払分を7月10日、7~12月支払分を翌年1月20日までにまとめて納付できます。
※固定資産税の納期は自治体によって異なります。東京都23区では、6月・9月・12月・2月の年4回に分けて納付します。
※個人住民税や固定資産税などの地方税は、自治体によって納期限が異なる場合があります。また、納期限が土曜日・日曜日・祝日などに当たる場合は、翌開庁日が納期限となることがあります。実際の納期限は、納税通知書や自治体のWebサイトで確認してください。
※消費税の中間申告・納付が必要な場合、上記とは別に納期限が設定されます。中間申告・納付の回数や時期については、「消費税」の項目で詳しく解説します。
個人事業主に関係する主な税金

個人事業主には、所得税や住民税のほか、売上高や事業内容、所有する資産、従業員の有無などに応じてさまざまな税金が関係します。
すべての個人事業主が以下の税金を納めるわけではありません。まずは、主な税金と対象者、納付時期を確認しておきましょう。
| 税金 | 主な対象者 | 主な納付時期 |
|---|---|---|
| 所得税及び復興特別所得税 | 所得税の納税額が発生する人 | 原則3月 |
| 消費税及び地方消費税 | 消費税の課税事業者 | 原則3月 |
| 個人事業税 | 法定業種に該当する事業を営み、 一定以上の所得がある人 |
原則8月・11月 |
| 個人住民税 | 前年の所得などに応じて課税される人 | 普通徴収の場合は原則年4回 |
| 固定資産税 | 土地・家屋や事業用の償却資産を所有する人 | 自治体によって異なる |
| 源泉所得税及び 復興特別所得税 |
従業員への給与や源泉徴収の 対象となる報酬などを支払う人 |
原則として支払月の翌月10日 |
| 自動車税・軽自動車税 | 自動車や軽自動車を所有する人 | 原則5月 |
それぞれの税金について詳しく解説します。
所得税
所得税は、1月1日から12月31日までの1年間に得た所得に対して課される国税です。個人事業主の場合、事業による収入から必要経費を差し引いた事業所得などをもとに、各種所得控除を適用して税額を計算します。
所得税の納税額が発生するかどうかは、事業所得だけでなく、ほかの所得や適用できる所得控除、源泉徴収された税額などによって異なります。
所得税及び復興特別所得税の確定申告・納付期限は、原則として翌年3月15日です。
また、前年の所得や税額などをもとに計算した「予定納税基準額」が15万円以上となる場合は、所得税の一部をあらかじめ納める「予定納税」が必要になります。原則として予定納税基準額の3分の1ずつを7月と11月に納付し、確定申告の際に年間の税額との差額を精算します。
消費税
消費税は、商品やサービスの消費に対して課される税金です。消費税の課税事業者となった個人事業主は、原則として売上げにかかる消費税額から、仕入れや経費などにかかる消費税額を控除して納付税額を計算します。
個人事業主は、原則として前々年の課税売上高が1,000万円を超える場合に課税事業者となります。また、前々年の課税売上高が1,000万円以下でも、前年の1月1日から6月30日までの「特定期間」の課税売上高が1,000万円を超える場合などは、課税事業者となることがあります。適格請求書発行事業者(インボイス発行事業者)として登録している場合も、課税売上高にかかわらず消費税の申告が必要です。
個人事業者の消費税及び地方消費税は、原則として翌年3月31日までに確定申告・納付します。
また、直前の課税期間の確定消費税額が48万円を超える場合は、確定申告とは別に中間申告・納付が必要です。中間申告の回数は確定消費税額によって異なり、48万円超400万円以下は年1回、400万円超4,800万円以下は年3回、4,800万円超は年11回となります。
個人事業税
個人事業税は、地方税法などで定められた「法定業種」に該当する事業を営む個人に課される地方税です。物品販売業や飲食店業、請負業、デザイン業、コンサルタント業など、多くの業種が対象となっています。
税率は業種によって3~5%で、税額を計算する際には原則として年間290万円の事業主控除があります。そのため、法定業種を営んでいても、所得の状況などによっては個人事業税が発生しない場合があります。
納付時期は自治体によって確認が必要ですが、東京都では原則として8月と11月の年2回です。
個人住民税
個人住民税は、都道府県民税と市区町村民税を合わせた地方税です。その年の1月1日時点で住所がある自治体から、前年の所得などに応じて課税されます。
個人住民税には、前年の所得に応じて税額が決まる「所得割」と、一定額を負担する「均等割」があります。所得が一定の基準を下回る場合などは、非課税となることもあります。
事業所得にかかる住民税を自分で納める場合は、自治体から送付される納税通知書を使って納付する「普通徴収」となり、通常は年4回に分けて納めます。納付月や納期限は自治体によって異なるため、届いた納税通知書を確認しましょう。
固定資産税
固定資産税は、毎年1月1日時点で土地や家屋、事業用の償却資産などを所有している人に課される地方税です。
個人事業主の場合、事務所や店舗などの土地・家屋だけでなく、事業で使用する機械や設備、器具・備品なども「償却資産」として固定資産税の対象になる場合があります。なお、一般に「償却資産税」と呼ばれることもありますが、独立した税目ではなく、正式には固定資産税の一種です。
償却資産については、課税標準額の合計が150万円未満の場合、固定資産税は課されません。税率は標準税率1.4%ですが、実際の税額や納付時期などは資産が所在する自治体によって確認が必要です。
源泉所得税
源泉所得税は、給与や一定の報酬などを支払う際に、支払者があらかじめ所得税等を差し引き、受取人に代わって国へ納付する仕組みによる税金です。
そのため、所得税や住民税のように個人事業主自身の所得に対して課される税金とは性質が異なります。従業員に給与を支払う場合や、税理士などに源泉徴収の対象となる報酬を支払う場合などには、個人事業主にも源泉徴収義務が生じることがあります。
源泉所得税及び復興特別所得税は、原則として給与や報酬などを支払った月の翌月10日までに納付します。
また、給与の支給人員が常時10人未満の源泉徴収義務者は、税務署長の承認を受けることで「納期の特例」を利用できます。適用された場合、対象となる源泉所得税等について、1~6月支払分は7月10日、7~12月支払分は翌年1月20日までにまとめて納付できます。
自動車税・軽自動車税
自動車税・軽自動車税は、原則として毎年4月1日時点で自動車や軽自動車などを所有している人に課される地方税です。事業用として使用しているか、プライベートで使用しているかにかかわらず、対象となる車両を所有していれば課税されます。
税額は、自動車の場合は用途や排気量など、軽自動車の場合は車両の種類などによって異なります。原則として5月末までに納付します。
なお、2026年4月1日から「自動車税種別割」は「自動車税」、「軽自動車税種別割」は「軽自動車税」に名称が変更されました。
個人事業主の税金の支払方法
税金は、金融機関や税務署などの窓口で現金納付するほか、口座振替やクレジットカード、スマホ決済アプリなどを利用して納付することもできます。
利用できる支払方法は、国税・地方税の違いや税目によって異なります。それぞれの主な納付方法を確認しておきましょう。
国税の主な納付方法
所得税や消費税、源泉所得税などの国税では、主に以下の方法を利用できます。
| 納付方法 | 概要 |
|---|---|
| 振替納税 | 指定した預貯金口座から、国税庁が指定する振替日に自動で引き落とす方法です。 申告所得税及び復興特別所得税と、個人事業者の消費税及び地方消費税で利用できます。 |
| ダイレクト納付 | e-Taxを利用し、事前に登録した預貯金口座から即時または指定した期日に引き落として納付する方法です。 |
| インターネットバンキング等 | インターネットバンキングやATMを利用して納付する方法です。 |
| クレジットカード納付 | 「国税クレジットカードお支払サイト」を利用して納付する方法です。 納付税額に応じた決済手数料がかかります。 |
| スマホアプリ納付 | スマホ決済アプリを利用して納付する方法です。 納付税額が30万円以下の場合に利用できます。 |
| コンビニ納付 | バーコード付き納付書やQRコードを利用し、コンビニで現金納付する方法です。 原則として納付税額が30万円以下の場合に利用できます。 |
| 窓口での現金納付 | 金融機関や所轄税務署の窓口で、納付書を使用して現金で納付する方法です。 |
なお、利用できる納付方法は税目によって異なります。例えば、振替納税は源泉所得税の納付には利用できないため、税金の種類に応じて適切な方法を選びましょう。
地方税の主な納付方法
個人住民税や個人事業税、固定資産税、自動車税などの地方税では、主に以下の方法があります。
- 金融機関や自治体の窓口での納付
- 口座振替
- クレジットカード納付
- スマホ決済アプリによる納付
- コンビニ納付
- eLTAXや地方税お支払サイトを利用した電子納付
納付書にeL-QRやeL番号が記載されている場合は、地方税お支払サイトや対応するスマホ決済アプリなどから納付できる場合があります。
利用できる支払方法は自治体や税目によって異なるため、納税通知書や納付先の自治体のWebサイトで確認しましょう。
税金の納付期限を過ぎるとどうなる?
税金を納期限までに納付しなかった場合、延滞した日数に応じて延滞税や延滞金が発生することがあります。
国税の場合は、原則として法定納期限の翌日から実際に納付する日までの日数に応じて延滞税がかかります。また、督促を受けても納付しない状態が続くと、財産の差押えなどの滞納処分を受ける可能性があります。地方税についても、納期限を過ぎると延滞金が発生する場合があります。
納税資金を一時に用意することが難しいなど、期限内の納付が困難な事情がある場合は、一定の要件を満たすことで納税や財産の換価を猶予してもらえる制度を利用できることがあります。納付が難しいとわかった時点で放置せず、国税は所轄の税務署、地方税は納付先の自治体へ早めに相談しましょう。
税金の納付に備えて日頃から経理業務を整理しよう
個人事業主に関係する税金は種類によって納付時期が異なるため、年間のスケジュールを把握し、納税資金を計画的に確保しておくことが大切です。
また、税金の申告や納付に備えるためには、日頃から売上や経費を記録したり、請求書・領収書などを整理したりする必要があります。本業と並行してこうした経理・事務作業を進めることに負担を感じる場合は、外部サービスを活用するのも一つの方法です。
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