仕事の効率を上げる多機能チャットツールですが、顧客やプロジェクトに合わせて複数ツールを併用するのが当たり前の時代になりました。
しかし、数種類のチャットツールを導入したものの、その使い分けが面倒に感じている人は多いのではないでしょうか?
ツールの使いどころを間違っていると、操作や管理の負担が増えるだけでなく、生産性を悪くします。この記事では、一人社長におすすめのチャットツールを比較解説していきます。
ツール選びや使い分け方のヒントになれば幸いです。
チャットツールの使い分けが面倒くさい理由
近ごろのビジネスの現場では、高機能チャットツールと呼ばれるコミュニケーション用のアプリが、よく用いられています。
代表的なものではChatwork・Slack・Teamsなどがあります。
また、業務的なやり取りにLINEを採用する会社も少なくありません。
しかし、これらのチャットツールを複数用いるとその切り替えが不便で面倒になります。
ビジネスでChatwork, Slack, Teams、LINEの使い分けが面倒である理由には以下のようなものが考えられます。
- パスワードやユーザーIDの管理が複雑になる
- デバイスによってログイン認証の方式が異なる
- 複数のアプリを何度も立ち上げる必要性がある
- 必要なメッセージがどのアプリにあるかわからなくなる
このような煩雑さは作業効率の著しい低下を招く場合があります。
問題を回避するためにも、使うべきツールは厳選するようにしましょう。
代表的なチャットツールの機能と主な使い方
コミュケーションツールにどのような違いがあるのでしょうか。
自分の会社で使うツールを決定する前に、それぞれの機能比較してみることが大切です。
以下ではChatwork, Slack, Teams、LINE Worksの機能比較をしています。
また「どういう風に使い分けると便利なのか?」という疑問を持つ方のために、それぞれのツールの概要と代表的な使い方を紹介します。
なお、料金は全て税込み価格です。
#Chatworkの機能
Chatworkは主にビジネスの場で使用されている多機能チャットツールです。
メールの代わりにチャットで会話ができるので、シームレスなやり取りがしやすくなります。
PDFや画像などの送受信だけでなく、タスク管理やファイル管理もクリック&ドラッグでできる使いやすさが魅力です。
しかし、一方でファイル共有量は少なめなので、スタックな情報よりもフローな情報のやり取りにChatworkを使うケースが多いようです。
例えば、個人事業主間での打ち合わせや、小さめのビジネスの取引にChatworkはよく用いられています。
大人数よりも、少人数で1つのテーマを深く掘り下げるやり取りに向いているツールといえるでしょう。
Chatwork
- 料金 (1ユーザーあたりの料金)フリープラン 無料/月
- ビジネスプラン 月額契約 660円/月(年間契約 6,600円/年)
- エンタープライズプラン 月額契約 1,056円/月(年間契約 10,560円/年)
- 容量(ストレージ) フリープラン ワークスペースあたり5GB
- ビジネスプラン 1ユーザーあたり10G
- エンタープライズプラン 1ユーザーあたり10GB
#Slackの機能
Slackの最大の魅力はチャンネル設定機能にあるといえるでしょう。
これはグループチャットの機能の1つです。
チャンネルを設定しておけば、後から参加したメンバーであっても、過去ログをさかのぼるだけで会話内容が把握できるようになります。
メンバーが頻繁に入れ替わっても、話題に取り残されることがありません。
Slackは、大勢の人数やグループによって、複数テーマをやり取りすることに長けたツールだといえるでしょう。
そのため、主に企業内の大規模プロジェクトや社内コミュニケーションのインフラとして用いられています。
また、ログを自分でさかのぼらずとも、Slackには便利な検索機能があるので、必要な情報をいつでもピックアップすることが可能です。
大量に発生した共有ファイルや過去ログの管理に最適なツールです。
Slack
- 料金 (1ユーザーあたりの料金)フリープラン 無料/月
- プロプラン 月払い契約 1,056円/月(年払い契約 11,220円/年)
- ビジネスプラスプラン 月払い契約 1,980円/月(年払い契約 21,120円/年)
- EnterpriseGridプラン 要相談
- 容量 フリープラン ワークスペースあたり5GB
- プロプラン メンバー1人ごとに10GB
- ビジネスプラスプラン メンバーごとに20GB
- EnterpriseGridプラン メンバーごとに1TB
#Teamsの機能
TeamsはMicrosoft 365内に含まれるアプリです。
OSにWindowsを使っているMicrosoftユーザーなら、Teamsを試してみるとよいでしょう。
ビデオ会議やタスク管理などMicrosoft製品だけで統一できるので、システムエラーが起きにくくなります。
Teamsは「働きやすい環境」と「仕事の効率」のバランスを取りたい会社に人気があるツールです。
シンプルで強固なセキュリティシステムを持っているので、リモートワークと本社業務の連携に用いられるケースが多いです。
Microsoft Teams
- 料金 (1ユーザーあたりの料金)Microsoft Teams 無料/月
- Microsoft 365 Business Basic 年間契約 7,128円/年
- Microsoft 365 Business Standard 年間契約17,952円/年
- Office 365 E3 28,644円/年
- 容量 Microsoft Teams 全チームで10GB
- Microsoft 365 Business Basic 組織全体で1TB+ライセンスごとに10GB
- Microsoft 365 Business Standard 組織全体で1TB+ライセンスごとに10GB
- Office 365 E3 組織全体で1TB+ライセンスごとに10GB
#LINE Worksの機能比較
LINE WorksはLINEを使いながらのコミュニケーションに適しています。
基本的なトーク機能やチャット機能にくわえ、スケジュール管理などの機能をそなえています。
LINE Worksはフロー型のツールなので、取引先とのコミュニケーションや勤怠管理が主な使い方になるでしょう。
また、LINE WORKSにはBot APIという機能があります。
これを使ってBot開発すれば、営業レポートや統計データの共有など、社内業務の情報伝達をBotで対応できるようになります。
LINE Works
- 料金 フリー 無料/月
- ライト 年間契約 3,960円/年
- ベーシック 年間契約 6,600円/年
- プレミアム 年間契約 13,200円/年
- 容量 フリー 合計で5GBまで
- ライト 基本10GBでユーザー1人あたり1GB追加
- ベーシック 基本1TBでユーザー1人あたり1GB追加
- プレミアム 基本10TBでユーザー1人あたり1GB追加
一人社長におすすめのツールは?
「一人社長におすすめのツールは?」と、チャットツール選びにシンプルな答えを求める人は多いと思います。
ですが、その質問に正解はありません。ただ1つのツールだけで、やりたいことの全てをこなすのは現実的ではないからです。
最適なツールを求めているなら、複数のツールを組み合わせて、自分の会社に最適なシステム環境を構築してみてはいかがでしょうか。
例えば「Chatwork+Slack」の組み合わせ事例なら、社外との連絡や1対1のフローな情報のやりとりには、導入が簡単で情報の流れが早いChatworkを用い、社内での
プロジェクトや会議といったスタックな情報取扱にはSlackを使うとよいでしょう。
ツールは多く組み合わせればよいものではありません。
あまり組み合わせるツールが多くなりすぎても生産性が下がってしまうおそれがあります。
併用するツールの数は、2つから3つにするとよいでしょう。
高機能チャットツールは組み合わせると理想に近づく
高機能チャットツールは使う目的や会社のサイズに合わせて選ばなければなりません。
コミュニケーションが中心ならChatworkかLine works、社内インフラの確立ならSlack、Microsoftユーザーならteamsを試すとよいでしょう。
また、複数のツールを組み合わせることで、理想の環境を得やすくなります。
とりあえずは、フロー(流動的)な情報が得意なChatworkかLine worksと、スタック(蓄積的)な情報に強いSlackもしくはteamsを、それぞれ組み合わせてみてはいかがでしょうか。