「経理が面倒、手が回らない」「経理で採用した社員がすぐに辞めてしまう」「正社員を採用するほどの業務量ではない」本記事は、こんなお悩みを抱えている中小企業の経営者向けの記事です。
今回ははじめて経理のアウトソーシングをする場合に、失敗しないためのポイントを解説します。
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- 経理業務でアウトソーシングできる業務
- 経理業務でアウトソーシングできない業務
- 経理をアウトソーシングするメリット
- 中小企業で経理のアウトソーシングが必要な4つの理由
- 経理をアウトソーシングする場合の注意点
- 中小企業におすすめの経理アウトソーシングサービス7選
- Remoba経理:月次決算や税理士とのやり取りにも対応
- 経理業務PRO:給与計算や請求書発行にも対応
- kei×kai:レポートで経営状況を確認したい企業向け
- TOKIUM経費精算:経費精算業務の負担を軽減したい企業向け
- 経理業務をアウトソーシングをする手順
- アウトソーシングする業務の選び方
- 経理アウトソーシングの導入事例
- 経理アウトソーシングが抱えるリスクチェックポイント
- 結論:人材やコストに課題がある中小企業には経理のアウトーシングがおすすめ
経理業務でアウトソーシングできる業務
会計 | 伝票作成、預金管理、現金管理、経費精算、債権債務の管理、決算書の作成など |
財務 | 資金繰り管理、資金調達など |
税務 | 中間申告書の作成、確定申告書の作成、償却資産税申告書の作成など |
その他 | 給与計算、社会保険料の納付、源泉所得税の納付、年末調整、法定調書の作成、与信調査など |
毎日 | 月末 | 年末年始 |
---|---|---|
・仕訳入力 ・取引先の管理 ・領収書整理 ・売上入力 ・経費精算
| ・請求書発行 ・領収書発行 ・支払い処理 ・給与計算 ・社会保険料の計算 ・月次レポートの作成 ・残高管理 | ・賞与計算 ・年末調整 |
経理業務でアウトソーシングできない業務
経理業務は全般的にアウトソーシング可能ですが、税務関係や現金を直接扱う必要のある業務はアウトソーシングが難しい業務です。
税務相談や税務書類の作成などは税理士の独占業務とされています。税理士事務所などには外注できますが、税理士資格をもたない外部スタッフに税務申告書の作成などを依頼することはできません。
現金を直接扱う必要のある業務もアウトソーシングが難しいとされる業務です。現金を外部で管理することにより、セキュリティ面でのリスクが生じます。
経理をアウトソーシングするメリット
経理をアウトソーシングするメリットは大きく分けて3つあります。期待している効果が含まれているか確認してみましょう!
スポット適用で人件費削減が可能
アウトソーシングは正社員採用と異なり、会社に必要なときだけ利用できます。
「年末だけ手伝ってほしい」「普段は10時間くらいで十分だが、年末はもっとサポートがほしい」
このような状況で正社員を雇ってしまうと、年末以外は過剰人員となり、人件費がかさむ恐れがあります。スポット的に労働力がほしい場合は、アウトソーシングを使えば人件費の削減が可能です。
教育コストがかからない
アウトソーシングすれば、経理担当者の教育にかかる費用を負担する必要がなくなります。代行してくれるアシスタントは、アウトソーシング会社で管理・教育されているためです。
会社で経理担当者を育成しようとした場合、以下のような資格に基づいた学習を促すのが一般的でしす。
- 日商簿記検定
- 経理・財務スキル検定(FASS検定)
勉強するために必要な書籍やセミナー、受験にかかる費用を会社が負担しなければいけません。また、経験の浅い社員だと業務の遂行に時間がかかりますし、指導に時間を割く必要があります。アウトソーシングなら、このような教育にかかる時間や費用を負担しなくてすむのがメリットです。
社員の生産性が向上する
経理をアウトソーシングすると、社員の生産性が向上します。特に、本来は担当でない社員が経理業務を兼任している場合に有効です。
人間の脳というのは、一般にマルチタスクに向いていません。
スタンフォード大学の研究では、大学生に簡単なテストを受けさせたところ、日常的にマルチタスク作業をする大学生の方がマルチタスクをしない学生より結果が低かったと報告されています。集中が途切れて作業効率が落ちるだけでなく、マルチタスクには脳の能力を下げる可能性があるのです。
複数の業務を兼任している会社は、社員の生産性を低下させている事実を認識しましょう。アウトソーシングはただ代行してもらう業務に関して楽をさせるだけではなく、本来の仕事でのパフォーマンスを向上させます。
経理に限らないアウトソーシングのメリット・デメリットが気になる方は「【2021年最新】アウトソーシングの4つのメリットと委託すべき業務を徹底解説」もあわせてご覧ください。
中小企業で経理のアウトソーシングが必要な4つの理由
ベンチャー・中小企業の経理は孤独でハードワーク
例えば、社員数が10名以下のベンチャー企業では、経理は1名で担当をせざるを得ないことがほとんどです。つまり一人で経理全般を理解し、業務を処理していかないとなりません。大企業の経理業務は細分化されていますが、ベンチャーでは経理だけでなく経営企画や総務の仕事まで、経理担当が行うこともしばしばで、ハードワークが求められます。
若手の経理職が不足している
ほとんどの業務は付加価値を生み出しにくい
クラウド会計やAI、RPAの普及により、経理業務は劇的に自動化されつつあります。記帳作業や請求書作成などのルーティン業務はロボットでもできる時代において、経理業務の一部は、人間が付加価値を生み出しにくい業務になりました。中小企業などでは、付加価値を生み出しにくい経理業務に、人的リソースを割きにくい状況があります。
コストの削減が可能
経理の業務は期末や年末など短期的に忙しい時期と比較的余裕のある時期で業務量に大きな波があります。そのため、新しく経理担当者を雇うにしても、最適な人数を割り当てることが難しい傾向にあります。時期によっては無駄な人件費を割いてしまったり、繫忙期には逆に人数が足りなかったりという問題が発生する可能も考えられるでしょう。
また、新しく経理担当者を雇わずに既存メンバーで経理業務を分担するにしても、専門的な知識が必要なため新しく調べたり勉強したりする必要が出てきます。
アウトソーシングを活用することでこれら「雇用・時間・人材教育」にかかるコストを削減できます。餅は餅屋で、苦手な業務は外部化をして効率を高めるべきです。経費精算や軽微な経理事務はオンラインアシスタントへ、税務など専門業務は税理士へ委託するなど使い分けをおすすめします。
経理をアウトソーシングする場合の注意点
ベンチャー企業や中小企業の経理業務の課題解決に役立つ経理アウトソーシングですが、いくつか注意点もあります。経理をアウトソーシングする場合は、以下の点に注意しましょう。
- 社内で経理のノウハウが蓄積されない
- 選択するサービスによっては想定よりコストがかかる可能性がある
- セキュリティ面のリスクがある
中小企業におすすめの経理アウトソーシングサービス7選
中小企業におすすめの経理のアウトソーシングを依頼できる7つのサービスを紹介します。
記帳・仕訳入力 | 経費精算 | 給与計算 | 年末調整 | その他 | |
Merry Biz | ○ | ○ | × | × | 月次決算など |
Remoba経理 | ○ | ○ | Remoba労務で対応 | Remoba労務で対応 | 税理士とのやり取りなど |
経理業務PRO | ○ | ○ | ○ | △ | 月次決算など |
kei×kai | ○ | × | ○ | ○ | 月次レポート作成など |
TOKIUM経理精算 | × | ○ | × | × | 電子帳簿保存法対応 |
タスカル | ○ | ○ | ○ | △ | 秘書業務やWeb運用などにも対応 |
Caster Biz | ○ | ○ | × | × | 秘書業務や翻訳業務などにも対応 |
Merry Biz:月次決算にも対応
費用 | 要見積もり(15万円程度~) |
対応業務 | 記帳・仕訳入力、経費精算、請求書発行、売掛・買掛管理、月次決算、クラウド会計導入支援 |
特徴 |
|
公式サイト | https://merrybiz.jp/ |
Remoba経理:月次決算や税理士とのやり取りにも対応
出典:Remoba経理
費用 | 180,000円/従業員数15~50名 200,000円/従業員数15名以下 |
対応業務 | 記帳・仕訳入力、入金管理、未入金リスト管理、請求書発行・送付、振込データ作成、支払リスト作成、 経費精算、月次決算、顧問税理士とのやり取り、確定申告補助、資料のデータ化 |
特徴 |
|
公式サイト | https://remoba.biz/accountant |
経理業務PRO:給与計算や請求書発行にも対応
費用 | 依頼する業務による (仕訳業務は100仕訳まで100円/1仕訳など) |
対応業務 | 記帳・仕訳入力、経費精算、給与計算、請求書発行(Web請求書にも対応)、支払管理、入金管理、 月次決算書(内訳書・試算表)の作成、クラウドツール導入サポート、資料のデータ化 |
特徴 |
|
公式サイト | https://www.keiri-syspro.net/ |
kei×kai:レポートで経営状況を確認したい企業向け
出典:kei×kai
費用 | 10万円(税抜)~ |
対応業務 | 記帳・仕訳入力、売掛金管理、買掛金管理、未払金管理、支払業務、月次決算、ツール導入支援、 給与計算、年末調整、書類のスキャン、ファイリング |
特徴 |
|
公式サイト | https://bixid.net/lp/keikai/index.html |
TOKIUM経費精算:経費精算業務の負担を軽減したい企業向け
費用 | (初期費用+基本利用料+従量課金制)要見積もり ※基本料金は1万円/月~ ※従量課金制の計算は領収書の件数に基づく |
対応業務 | 経費精算 |
特徴 |
|
公式サイト | https://www.keihi.com/expense/ |
タスカル:経理以外のバックオフィス全般も依頼したい企業におすすめ
費用 | 25,000円(税抜)/月~ |
対応業務 | 記帳・仕訳入力、振込代行、在庫管理、仕入管理、領収書発行、請求書発行、売上入力、 給与計算、入金確認、経理サポート、経費精算、秘書業務、応募者対応、採用手続き、 リサーチ業務、Webサイト運用、バナー制作、SNS運用代行など |
特徴 |
|
公式サイト | https://taskar.online/ |
タスカルは「月10時間程度サポートしてほしい」というスタートアップや中小企業におすすめです。月10時間の小ロットのプランは用意していない、またはかなり割高になる会社も多いなか、業界最安値クラスの2.5万円(税抜)で提供しています。ディレクターが人材を選定しますが、Zoomで定期的にアシスタントと打ち合わせができるので安心です。
CASTER BIZ:オフライン業務も対応可能
費用 | 120,000円(税抜)/月~ |
対応業務 | 記帳・仕訳入力、請求書発行、領収書発行、請求書り、支払処理、入金確認、書類のデータ化、 秘書業務、スケジュール調整、営業資料作成、リサーチ、求人業作成、応募者対応、 労務サポート、勤怠管理サポート、文書翻訳、外国語メール対応、Webサイト更新、 電話代行、SNS運用サポートなど |
特徴 |
|
公式サイト | https://cast-er.com/ |
Caster BIZはアシスタントの質にこだわったアウトソーシング会社です。1/100の厳しい審査を通過したアシスタントがチームを編成して対応します。カスタマイズプランはあるものの、基本的なプランは30時間の設定です。アウトソーシング会社としては珍しく、オフラインでの業務も対応しているので、オフィスで顔合わせをしたい方におすすめです。
経理業務をアウトソーシングをする手順
委託先が決定したら、業務委託契約またはサービス利用規約への同意を行います。契約内容のチェックポイントとしては以下などが挙げられます。
- 業務の品質担保の方法(不備がある仕事はやり直してもらえるか、規定時間外もできるのか)
- 情報の取り扱いポリシー(どのような環境でファイルや情報を管理するか)
- 途中解約の請求ルール(違約金がいつ、いくら発生するか)
- 担当ワーカーがマッチしないときに変更依頼が出せるか
アウトソーシングする業務の選び方
オンラインに向いている経理業務は、時間と場所にとらわれない、紙資料を扱わないなど物理的な制約が無い業務です。具体的には、経費精算や記帳業務などが該当します。月次決算業務などの定期的に発生するが、毎日あるわけでもない業務も向いています。
ここでは、外注する経理業務の選択の仕方をいくつか紹介します。
専門性の高い業務を外注する場合
専門性が高い業務とは、具体的には、法人税や消費税の申告書作成などの税務業務です。これらは税理士や会計士に委託するケースが一般的です。専門性の高い仕事は、自分で調べながら行うと非常にスピードが遅くなります。間違ったやり方でミスやトラブルが発生し、取引先に迷惑をかける可能性もあるため、外注を検討してみてもよいでしょう。
付加価値の低い業務を外注する場合
付加価値が低く、ボリュームの大きい業務もアウトソーシングの対象です。ここでいう付加価値とは、個人のスキルに依存しない、定型業務を指します。具体的には、月次決算業務や給与計算などです。例えば給与計算は失敗が許されない業務ですので、社内で行うと負荷が大きくなります。コア業務に集中するために、付加価値の低い業務は外注を検討しましょう。
アウトソーシングをする業務を整理することが難しい場合
業務を担当者1人で分類し、内製化して行うものとアウトソーシングをするものを整理するには手間がかかります。経理業務含め、事務作業を全て外部に任せるということは難しいですが、ある程度まとめて業務をアウトソーシングする際には「オンライン事務代行サービス」がおすすめです。
担当のディレクターが依頼したい事務作業を整理することをお手伝いすることで、事務作業を効率的に処理することをサポートしています。
経理アウトソーシングの導入事例
ベンチャー企業や個人事業主の場合、少量多品種の業務を外注したいケースが多いのではないでしょうか。また、経費削減やリモートワークのため、オフィスを持たない企業も増えています。
事例①インターネット広告代理店 社員25名
背景(ビフォー)
事業が拡大する中で経理業務が後回しになっていた。事業拡大により海外との取引もあり複雑な会計処理も増えてきたため、経理記帳を外注したい。
サポート内容
経理記帳代行
月間稼働時間
10時間
成果(アフター)
社長がほかの事業に注力できるようになったことで売上が増えた。
▼詳しくはこちらの記事をチェック
事例②コンサルティング会社 社員10名
背景(ビフォー)
経理業務を一手に受ける人が不在。高付加価値型のコンサルティングを提供しているため、売上やクライアントサポート以外の作業はすべて外注したい。
サポート内容
- 契約書作成・送付
- 人材募集・運用
- 名刺作成
- 月末支払い分作業報告書格納チェック
- 見積書・請求書作成
月間稼働時間
35時間
成果(アフター)
総務部の機能をまるごとアウトソーシング。
毎月の管理コストを変動費化し、業務量に応じて変動させることに成功。
事例③広告代理店 社員1名
背景(ビフォー)
設立したばかりの会社で、社長がすべての業務を1人で運用。
非生産業務の時間を極小化して、営業時間の確保を行いたい。特に負担の大きい経理業務に関しては、グループ会社の経理担当と連携し月次決算を進める必要があり、税理士へ依頼する内容でもなく、負担が大きい。
サポート内容
経理業務全般
稼働時間
3時間
成果(アフター)
月次決算業務を外部化でき、ピュアセールスタイムが増加。
経理アウトソーシングが抱えるリスクチェックポイント
情報管理体制がしっかりしているか
口座情報や人事データなどが流出すると企業に甚大な被害をもたらします。情報管理体制が具体的にどうなっているか、Pマークを取得しているかなどを委託先に確認しましょう。
コミュニケーションコストが高すぎないか
発注者と委託先スタッフの間のコミュニケーションが円滑に進むのかは業務が始まってみないとわかりません。
- 細かい指示をタイムリーにできるのか
- 何時から何時まで依頼できるのか
- どのコミュニケーションツールが使えるのか(電話やビデオ会議は可能か)
スタッフの業務運用体制、責任範囲が明確か
ディレクターやスタッフが病気で休んだときやミスを起こした際に、バックアップ体制があるのか、どのようなフローになるのか確認しておきましょう。
結論:人材やコストに課題がある中小企業には経理のアウトーシングがおすすめ
中小企業で、人材不足やコスト削減に課題がある場合は、アウトソーシングを利用するメリットの方が大きいといえます。まずはどのように業務を切り出すか、各サービス担当とディスカッションをしてみるのがよいかもしれません。
▼経理業務の手間を軽減!オンラインアシスタントで記帳・請求書発行を効率化